リトポロジーでコスチューム作成
ZBrush上で衣服を新規に作るにはどうすればいいのか。
ひとつはマスキングからSubToolのExtractを使う方法。これは衣服や靴、手袋などを作るのに非常に簡単で強力な機能だが、ある程度分割された状態でないと正確な形状ができないため、どうしても高分割の状態がSDiv1になり、ポリゴンの量が膨れ上がる。
下着など、体に密着した薄いものの場合はマスキングで体に衣類の形状を描き、反転してDeformationでInflateして膨張してやればそんなに拡大して見ない限り、それなりに見えるし、ポリゴンが増えることもない。レイヤーと組合せればその形状だけに分離することもできそうだ。が、基本的にスカートなど、体から離れた形状はほとんど作れない。
ZProjectBrushやSubToolのProjecAllを使って別なMeshを加工して作る手もありそうだが、これは結構大変そう。
で、今回はとりあえずポリゴンの数もそう増えず、多少手間がかかるが、作業自体は簡単そうな再トポロジー(リトポロジー:以下リトポ)で単純なコスチュームを作ってみた。
使い方を忘れそうなのでメモしておく。(明日の自分は他人の法則)
1.ZSphereを用意。
2.ToolのRiggingでSelect Meshを押し、リトポするオブジェクトを選択。
3.ToolのTopologyでEdit Topologyをクリック。画面上のZSphereが消える。
4.背景(形状の何もないところ)で一度クリックし、リトポの開始点を消去。
5.Drawモードでリトポする形状の表面でクリック、開始点(赤丸)が表示される。
6.ひたすらリトポするオブジェクトの表面をなぞって四角い格子を作る。順序(方向)が大事なので、最初はできるだけ一筆書きで描き、Ctrlキーを押しながら開始点にしたい既存のポイントをクリックしながら、格子を補完していく。ポイントの削除はAltキーを押しながらクリック。
7.ある程度できたらMoveモードに変更して点を移動し、位置を編集。
8.ToolのAdaptive SkinでDensityをスライドしつつ形状を確認。目的の形状ができたらMake Adaptive Skinでポリメッシュが完成。
以上の手順で作ったメッシュの下の部分をMoveBrushでひきのばし、StandardBrush等で皺をつけてレースクイーン風(orキャンギャル風)コスチュームが完成。ZBrushのロゴを入れてみた。
なお、この状態では片面ポリゴンなので裏側が表示されない。表示させるには対象となるオブジェクトを選び、ToolのDisplay PropertiesのDoubleをオンにして両面表示にする。
今回もうひとつ試したのは、高分割データがある状態でそのオブジェクトのUVだけを差し替える方法。リファンレンスマニュアルを見て、こんなに簡単にできるのかと・・・w
方法は簡単で、差し替えたいオブジェクトをSDiv1の状態でOBJでエクスポートし、3dsmaxでUVWアンラップでUV作成し、OBJで書き出す。再び、差し替えたいポリメッシュを選んだ状態(SDiv1)でUVを付けたOBJをインポート。
これだけで、SDivを高分割に戻しても新たなUVがついた状態になっている。
UVはマップをテクスチャとしてエクスポートする際にはじめて使用するので、予め色が塗ってあっても問題ない。
この方法で、無事3dsmaxでも色と法線バンプが正しくレンダリングできるZBrushのロゴ付きコスチュームができた。
次に、ヒールを作成したが、これは足にヒールに沿ったマスクキングを施してExtractし、加工した。これも本来はリトポしてやったほうが案外形状が作りやすそうだし、3dsmaxに移した時にもメモリが無駄にならないが、今回は面倒なので最適化モディファイアでごまかすことにした。同様に青いチョーカーもこの方法で作成し、3dsmaxにマップも含めて渡してレンダリングした。
肌の部分のマテリアルはSSS FastSkinを使い、マップの色データに近い感じにするためUnscattered diffuse weightを0.83にした。コスチューム、ヒールはフォンシェーディングで鏡面反射ハイライトを強く狭く設定。コスチュームはさらに反射を軽く設定。
ついでに、以前からZBrushからエクスポートした形状は全体的に痩せるような気がして、似たようなアングルにして並べてみたのだが、どうも気のせいみたい。ライティング、シェーディングの違いで細身に見えるのだろう。
↑左がZBrushのPreView、右が3dsmaxでレンダリング
Recent Comments