October 30, 2005

カメラによる視点の変化

最近レンジファインダー(RF)機を使い始めて思うのはカメラ(の方式)による視点の変化。

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LeicaIIIf + Super WIDE-HELIAR 15mm F4.5 + Kodak GOLD200

RFはファインダーを覗き込んで撮る感覚が少なく、その場の雰囲気・空気をさっと撮れる感じですし、超広角~広角系ではピント目測によるパンフォーカス的使い方が多くなり、一方標準レンズ以上ではあまり接写は得意ではないので逆に撮れるものが限られてきて、どちらの場合も撮れないものは撮れない、撮れるものを撮るという、ある種割り切りの良さが写真を変えているような所がありますね。よく写真は引き算といいますが、これもある意味、引き算のひとつかもしれません。

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LeicaIIIf + Super WIDE-HELIAR 15mm F4.5 + Kodak GOLD200

一方、一眼レフは何でも見たまま撮れますし、接写も望遠も得意。一方シャッター音はミラーもあり大きいことも多く、アイレベルファインダーではずーっと覗きをやっているような閉塞感、被写体が知らない人間である場合相手に対する威圧感があります。特にRFと重なる焦点距離帯のレンズ(広角~中望遠)を使う時は被写体に近い事が多いので気が弱い私としてはちょっとひいた写真になることが多いようです。(^^;

一眼AF機を使えばノーファンダーもフォーカスに関しては失敗も少なく、デジタル機なら暗さにも強いととにかく万能で、それゆえに今の繁栄を見ているのでしょうが、広角~標準域はRFのほうが感覚的に被写体との距離が近いというか、ミラーや覗き穴の重圧感が無い点で人間の視点に近いような気がします。うまく言えないんですけど、一眼レフ50mmで撮る写真は自分が意識的に撮ろうと思って撮った写真、RFの50mmで撮った写真は自然に手と目が動いて撮れてた写真とでも言いますか・・・。

人によるんでしょうが、同じ焦点距離のレンズでも自分はカメラのタイプによって写真(視点)が左右されやすい人間であるようです・・・。


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自作カメラはやっぱりシャッターユニット交換時のため等に遮光板をつける必要があるんじゃないかと、極薄アルミを使って検討中。問題は抜き差しの際の遮光をどうするかですねぇ・・・。うーん、挿し口を長めにしてモルトを互い違いに並べてみようか・・・。

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October 13, 2005

COSINA 20mmF3.8

先日、何ヶ月か前に近所のキムラに発注していたOMマウント用COSINAの20mmF3.8が入荷した旨連絡があり、無事入手できましたので、早速試してみました。

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まず、OM-1に装着し、トレビ100を使用して撮影。OMシリーズに装着するとレンズの緑色文字主体の指標がちょっとミスマッチな感じで、この辺は色使い的にはFDマウントのほうが似合うかもしれません。大きさ的にはコンパクトなボディとの釣り合いがサイズ・重さとも丁度良い感じです。外観もプラスチック主体ですがNewFD風でそれほど安っぽいというわけでもなく、最近のAFレンズよりは好感が持てます。(特にペンタックスのFA筒レンズやEOSの安い単焦点レンズなどと比べると)

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上の画像はスキャンしたまま縮小し、アンシャープマスクをかけただけのものですが、全体的な写りの傾向は同じコシナの19-35mmのM42マウントズームに似ていて色あいはあっさり目で青っぽく、コントラストも弱めという印象です。(NikonCOOLSCAN V ED、ノーマル設定でスキャンした場合)
まあ、スキャンした後に画像のレタッチを前提とするなら、コントラストや色の飽和が無いほうがやりやすいかもしれません。
↓上の画像をレタッチしてみました。(拡大表示あり)

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単焦点としてはやや樽型の歪曲収差が目立ちますが、19-35mmズームレンズほどではありません。周辺減光も条件にもよりますがF5.6くらいまでは目立つかもしれません。F8以上に絞れば気にならなくなります。周辺では色収差もそれなりに出ます。

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今の時点ではこのお値段で特に破綻の無いこの写りならOKというところでしょうか。
まだフィルム一本しか撮っていないのでもうちょっとテストしてみたいと思います。

このレンズの美点はとにかく安いこと(F3.8とはいえ、各種マウント用新品20mmレンズが1万円ちょっとで買えるのは凄い。)、コンパクトなこと、コシナの19-35mmズームレンズよりは画質が良いこと、最短で20cmまで寄れることなどでしょうか。画質的にはおそらく各マウント純正のレンズより物足りないような気もしますが、最短距離も優秀で、そこそこ普通に写る性能などは値段を考えると純正品を手に入れるまでのつなぎ、あるいはサブとして持っておくには良いかもしれません。(ただし在庫が無い場合は何ヶ月か待たされる可能性がありますが・・・(^^;)

また、E-300に装着すると35mm換算で40mmF3.8の標準レンズクラスになりますが、20cmまで寄れるのでコンパクトさと相まってなかなか使い勝手は良いです。写りもフィルムで使うよりメリハリがある感じで、案外相性が良いのかもしれません。こちらももっと色々なシーンで撮影してみないとなんとも言えませんが、期待が持てる写りです。

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↓やや樽型の歪曲がでます。

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↓これよりさらにもうちょっと寄れます。

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October 02, 2005

スーパーワイドヘリアー15mm/F4.5

早速ライカIIIfにスーパーワイドヘリアー15mmを装着して撮影してみました。

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周辺減光はいっこー君のブログなどで見て最初から折込み済みで、別に欠点となるものではないと思いますし、描写自体は近代のレンズらしくきっちり写りますね(^^

最短撮影距離が30cmと、これまた現代のレンズらしく寄れるので使い勝手が良いです。
距離計は連動しませんので目測での使用が前提で、レンズの指標が最短30cm~2mの次はいきなり無限大となっています。近い時だけそれなりに目測で勘をはたらかせて合わせたほうが良いでしょうが、この手の超広角レンズは絞ってパンフォーカスが基本だと思いますので問題ないでしょう。

Lマウントの標準や広角を使っていると最短1mというのが多いので、ぐっと寄ることができないのが歯がゆいシーンもよくあります。あまり寄れるとRF機の場合は視差の問題がありますし・・・近接撮影用の仕掛けのあるレンズはそれなりに使い勝手が悪くなる面もあるでしょうし・・・。
15mmクラスの超広角ならパララックスもそれほど気にならないかもしれませんね。

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このクラスの超広角レンズで一番気を使うのは水平出しとか、傾き具合で気持ちの悪い歪みにならないよう注意することでしょうか。(これが難しい(^^;)

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このレンズの最大の魅力はやはりその異常なまでのコンパクトさだと思います。
特にボディが小さいバルナックライカファミリーとの組み合わせは最高です。
仕上げも質感も高級感があるのも嬉しいポイントです。うちのレンズで言うとペンタックスの43mmリミテッド(銀)のミニチュアという印象かなぁ。(^^)

35mm一眼レフ用超広角からは想像もつかないその大きさは、いつでもポケットに入れて持ち歩けるものですね。ただ、専用ファインダーは小さいので無くしやすそうですし、前玉が出っ張っているので傷つきやすそうなので、ボディに付けっぱなしにしてボディ側ファインダーとの併用で50mmと15mmを使い分けるというのもよさそうです。

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↑ちなみにうちで15mmの画角を得られる小型一眼レフ(MX+SIGMA12-24mm/F4.5-5.6)を並べてみました。うーん、レンズが軽自動車とダンプカーみたいだ(笑
今後は超広角~中望遠までをレンジファインダー機に、マクロ、中望遠~望遠を一眼レフ(デジ・銀塩)に担当してもらう機会が増えそうです。(^^)

本日の写真(上から3枚分)はライカIIIf+フォクトレンダースーパーワイドヘリアー15mm/F4.5で撮影。プロビア100F使用。

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September 17, 2005

つげ義春風?

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銀座の地下連絡路で撮った中の一枚です。
縮小判だとよくわからない上に収差で階段が赤っぽくなってしまうので、クリックするとやや大きめの画像も表示されるようにしました。
人物の影の形が不思議でなんとなくつげ義春チックなのでモノクロの劇画調にして遊んでみました。(^^;

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Canon NewF-1+コシナ19-35mm/F3.5-4.5(M42マウントアダプタ使用)。ベルビア100。

つげ義春さんの作品はねじ式はじめ、紅い花やもっきり屋の少女、温泉シリーズなどが好きで、繊細な感性の中にもどこかユーモラスな部分があり、味わいのある緻密な絵は時代を超えて素晴らしいです。
ちなみに今は無き(株)ツァイト制作の「ねじ式」というアドベンチャーソフト(X68000,PC98用)は今も大好きでX68シミュレータ上で遊んでいます。つげさんの世界感がグラフィックやシナリオにとても良くでていて音楽も最高です。

ペーパーモデルMXは多くの方に見ていただいているようなので、現在銀ボディ版も作成中。近日公開予定です。(^^)

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September 14, 2005

COSINA 19-35mm/F3.5-4.5(ペンタックススクリュー)

今日は最近新品で購入したコシナの19-35mm/F3.5-4.5、ペンタックススクリューマウントについて。

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このシリーズのレンズはペンタックススクリューの他にキヤノンFDマウント、オリンパスOMマウント、ミノルタMDマウント、ペンタックスPKAマウント、ニコンAIマウント、コンタックスマウントと、MF機全盛の時代の主なマウント用が用意されています。未だに新品でこれらのマウント用のレンズが買えることにはある種感動すら覚えますが、残念ながらすぐに買えるのはコシナに在庫があるもののみで、在庫が無いものも多いようです。ちなみに近所の店にOMマウントの20mmを頼んでいるのですが在庫が無く、一応、注文は受け付けてくれるようですがいつ入手できるかはわかりません。値段はどのレンズもさすがのコシナ価格、信じられないほどリーズナブルです。

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さて、購入したレンズはペンタックススクリューマウントですが、普通ならM42あるいはプラクチカマウントと表記したほうがわかりやすいし、メジャーだと思うんですが、実はこのレンズ、割と多くのペンタックスタクマーやM42マウントレンズについているAUTO、マニュアル切り替えレバーが無いので、ペンタックスSPシリーズやベッサフレックスのようなボディ側に絞込み用のレバーが付いていないと常に開放になってしまいます。これらの仕掛けが無いカメラやM42マウントアダプターで使う場合、絞込み用のピンを引っ込めた状態で固定するなどの加工が必要となります。

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マウントアダプターの場合はこのピンを引っ込めることができるものを使えば実絞り(絞り込むと暗くなる)AEやマニュアル測光で普通に使えます。キヤノンEF用やFD用、ミノルタα用、コンタックス用などでは近代インターナショナル製品フォトショップサイトウさんなどでこのタイプのアダプタも入手できますが、PENTAX用が無いのが皮肉といえば皮肉かも・・・(^^;どこかで扱っているのかな?ちなみにレンズ本体はAF用のものよりもスリムで大きな丸形フードを付けなければこのクラスのレンズとしてはコンパクトな印象です。

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で、写りですがいわゆる平均的な適正露出で普通に撮れば普通に写ります(^^;
今回は主に19mmの広角側ばかり使ってみたのですが、19mmでは撮影条件にもよりますが周辺光量落ちが目立ちます。(ただし、1枚目と4枚目は普通の厚さのPLフィルターをつけているのでそちらの影響も出ているようです。)
私の場合は周辺光量落ちもレトロっぽくて嫌いではなく、むしろレンズの味として積極的に使いたいところです。周辺光量落ちがあったほうが味がある写真も昔から多く見ているような気がします。最近ではロモカメラに人気があるのもそういった事なのでしょう。

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また、コントラストの高い部分では色収差が目立つようですし、歪曲収差は広角側で陣笠タイプの歪みも目立ちます。

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しかし、逆光には割と強く、意外にフレアやゴーストが出にくいようです。

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最短撮影距離も50cmと、ちょっと物足りないですが、値段や昔のマウントでも新品で入手できる可能性がある点は大きな価値があると思います。特にアンダー気味で撮った場合周辺光量落ちに加えて全体的に味のある描写になることがあり、癖のあるレンズとして面白く使えそうです。(^^)

レンズ装着写真以外、Canon NewF-1 + COSINA19-35mm/F3.5-4.5(M42マウントアダプタ使用)で撮影。ベルビア100使用。

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March 10, 2005

COSINA 19-35mmF3.5-4.5

cosina1935usa今日もついでに格安レンズ特集ということで・・・・・・
ヽ(^.^;)ノ

BESSAですっかり有名になったコシナの超広角ズームです。とにかくお値段が実売で2万を切るということで、一昨年、EOS10Dと一緒に購入しました。ズームリングのラバーにAFとでっかく型取りされているのが印象的です。軽くてプラスチッキーな外観は値段なりと言う印象。EOS Kissなど、ツルツルのボディによく合う感じです。

写りはよくも悪くも普通という感じですが、値段を考えるとかなり良いかも。前玉も回るので花形フードでは無いですし、ワイド側ではタル型歪曲収差が多少出るようです。最短撮影距離が50センチ弱なのは物足りないです。ついでにフィルムで使うと周辺減光も目立ちます。

ただ、絞れば十分シャープに写りますし、色収差もよく押さえ込まれていると思います。シグマの18-50/F3.5-5.6DCよりこの点で勝っていますし、とにかくまだ18~19ミリから始まるワイドズームが高価だった一昨年、既に2万円を切っていたというのは十分に価値のあることでした。

フィルター径が77ミリと、プロテクターでもかなり高価な口径ですがレンズがこのくらいの値段だとフィルターつけなくてもいいやと思う気軽さがありますね。(笑

うちのEOS10D用のワイドズームにもシグマの12-24等が加わり、デジタル用としては出番が無いのですが、もともとフルサイズ用のレンズですから、たまにフィルムで使ったりすると新鮮で面白いです。

特にいまどきのレンズは周辺減光が目立つレンズは少なくなり、かえってレトロな感じがしますし、中央部はきっちり写るのでフィルムで使ったほうが個性が生きるレンズだと思います。

上の写真はEOS Kissに付けてダイソー100円ネガフィルムで撮影。周辺減光→スーパーワイドヘリアー→コシナと連想してしまう私は変でしょうか?(笑
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