March 05, 2008

小型のくせに豊かな低音:サウンドカノンMkIII(ダブルダクト)

Mk3

てなわけで、Fostexの8cmユニットを使った低音重視型小型スピーカー、サウンドカノンMarkIII(ダブルダクト)を作ってみました。

一見、普通のバスレフのダクトが2つあいた小型スピーカーといった感じですが、サウンドカノン(うすしお味)、サウンドカノンMkII(塩ビ)をもとに、さらに低音を倍増、イコライザーを使わないで普通に聴ける低音豊かな小型スピーカーを目指しました。

Dd

概念としては上の図のように、スピーカーユニットの背圧とその後ろの振動膜(コンドーム)で発生する中低音が増強された音(青矢印)を第一ダクトで排出、次に振動膜の背圧と周りを囲ったエンクロージャーで発生したより低音成分の強い音(赤矢印)を第二ダクトで排出し、効率的に低音・音圧を増量しようというものです。
強いて言えばパッシブラジエータ(=振動膜)を利用したダブルバスレフダブルダクト式スピーカー(長い(笑))といった感じでしょうか。

結果からいうと、それはもう、予想以上に低音が出ました。もちろん、中低域が豊かになったのでイコライザーで音をいじる必要もなく、普通にアンプに繋げますし、アンプやイコライザ、ポータブルプレイヤーなどで軽く低音と高音を持ち上げてやれば、このサイズとは思えないほどの迫力を持った音が出ます。
 出てくる低音は小型スピーカーにありがちな無理して出したようなぼやけた感じが無く、伸びとスピード感・パンチがあるソリッドなものです。今回は防磁型8cmスピーカーのFOSTEX FE-87Eを使用。説明書によれば、このユニットのバスレフ版の標準ボックスは5リットルとの事。今回作ったのは1.2リットル程度ですから、ほぼ4分の1のサイズということでしょうか。

今回はこちらのページ<自作スピーカーの測定>を参考に、過去のサウンドカノンや市販スピーカーと比べる意味で簡易的に周波数特性を測ってみました。測定自体は簡易で素人がはじめて挑戦したものですが、それでも傾向などははっきりとわかり、これを見ると今回のMkIII(ダブルダクト)がかなり低音が出ていることがわかるかと思います。

4312m2a

↑まず、一応リファレンス的な意味合いで、JBLの4312Mの周波数特性。ほかのスピーカーより大きいのでアンプや測定距離は別ですが、音の傾向は出ているかと思います。さすがにウーファーが13cmあると低音が結構出ていますね。中高域も割合フラットです。

M3b2a

↑今回作ったサウンドカノンMkIII(ダブルダクト)。さすがに低音は4312Mには及びませんが、8cmにしてはかなりがんばっているのではないでしょうか。110Hzくらいのところが盛り上がっており、これが低音の力強さに貢献していると思います。一般的なミニコンポやラジカセ、ポータブルプレイヤーに付いているような低音ブースト回路を使用すると驚くほどの低音が出ます。振動膜が低音が増強されるほど、効果的に機能している気がします。

Sonyb2a

↑次に市販品で相当古いアクティブスピーカーですが、小型のくせに低音が出ることで定評のあるSONYのSRS-Z500。実際に店頭で低音がよく出ていたので買ったものですが、今回は一応これくらいの低音は出したいということでこれを目標にMkIIIを制作しています。今回は比較のためにZ500のアンプは使わず、MkIIIと同じアンプに繋げて音を出してます。
 結果ですが、グラフでもわかるように、(聴感上も)MkIIIのほうが中域~低域にかけて音が出ています。さらにZ500は無理して低音を出しているようなところがあり、音量を上げるほど余裕もなく、箱も鳴り、音がこもる感じがありますが、MkIIIはそういった事はありません。スピーカーユニットのサイズ・グレード、エンクロージャーの大きさ(Z500のほうがMkIIIより一回り小さい)の差はあるかと思いますが、Z500に負けてしまってはわざわざFE-87E(x2)に送料・手数料込みで6000円以上を払った意味がなく、ある意味ほっとしています(笑)

M1_2a

↑次にサウンドカノン(うすしお味)。さすがにこれはイコライザーで調整しなくては聴けないというグラフですね。そのままでは中低域が全滅。それでも、このサイズ、この作りにしては(イコライザー前提なら)結構低音が自然に出たので、このあたりで既に振動膜の背圧も漏らさず利用するMkIIIの構想は出来上がっておりました。

M2_2a

↑最後にサウンドカノンMkII(塩ビ)。さすがに紙製と違ってビリつきが出にくく、音に安定感がありますが、特性自体はほとんど同じ。しかし、これのおかげでMkIIIが容易に作れる目処がたちました。

実際の制作は以下の通り。
まわりを囲うエンクロージャーはMDFの4ミリ厚のものを使用。このくらいの厚さだと、普通の事務用カッターで表裏から金尺を当てて切り込みを入れて折ってやれば十分切れるので木屑も出ないし、工作が苦手な私でも比較的寸法通りに切れます。
元板の幅が30cmだったので無駄なく取れるということで、スピーカーの高さは15cm、幅、奥行きは10cmと決めました。(奥行きは前後の板の厚み4mmx2が加わるので正確には外寸10.8cm)

Koutei1

↑とりあえず、サウンドカノンMkII状態でEF-87Eを取り付け。ユニットを取り付ける継ぎ手は三菱の65サイズのものを使用しましたが、寸法ぴったりです。全体に音が100円ユニットより聴きやすくなっていますが、さすがにイコライザーなしでは聴けません。(左)
ユニットをはずし、4ミリ厚のMDFで位置取り。第2ダクトは直線の継ぎ手を使用。(右)


Koutei2

↑8cmクラスのユニットなら電動ドリルのホールソーで簡単に穴が開けられます。

Koutei3

↑エンクロージャーは、万一振動膜(コンドーム)が破れた際の補修に備えるべく、正面だけネジ止めです。実際に数日連続で鳴らしてますが、コンドームは丈夫なようで、大音量で震わせてもまったく問題ありませんが、さすがに経年変化については未知数です。ネジ止めと補強を兼ねて、角材を4箇所に貼り付けてます。(左)
右が正面にユニットをネジ止めし、裏面にダクト、継ぎ手をホットボンドで固定して組み立てた状態。(ユニットと継ぎ手で正面板をはさむ形になっています)
 単純な構造なので組み立てはとても簡単です。

Yamaha

↑水性ペンキで黒く塗って完成。ヤマハのフルレンジ一発の美しい小型モニター(これも発売当時評価が高く、低音も結構迫力あります)NS-3MXの上に置くと、同モニターのミニチュアのようです。

Jbl

↑ただでさえ小型の4312Mと並べても、豆スピーカーといった趣き。(左)
愛飲しているキリンの発泡酒、グリーンラベル淡麗350ml缶と比べるとさすがに大きいですがw(右)

このMkIII、PCでMP3データ連続再生でエージング中ですが、最初固かった感じの音がどんどんよくなる気がします。吸音材は入れていませんが、音のバランス的にはまったく問題なさそうです。
 MDFが4ミリと薄く、箱鳴りもしているのでしょうが、第一ダクトから出る音と、適度にクッションとなる振動膜のおかげであまり影響していない感じですね。

ある程度音量をあげて普通に離れて聴くと中低域の押し出しが強くなり、特にドラムやベースのアタックなどに迫力が出ます。たまーにドラムなどでコンドームの固有振動数に近いものは音が変になるような気もしますが、最初からそういう音なのか、あるいは気のせいかもしれません。(^_^;)

★2010.3.10追記

コメント欄にもあるように、裏のコンドームは簡単に破れてしまったので、薄手の使い捨てゴム手袋を切って広げて膜にし、継ぎ手の管に10本くらいの輪ゴムできつく締めて張ってみたところ、気持ち締まりのある低音が出るようになりました。太鼓・パーカッション系が少しリアルに、ベースも歯切れよくなる感じです。

ただ、曲によっては嘘くさくなったり、スカスカになったり、物凄く変な音になったりするものもあり、ちょっと癖が強いみたいです(^_^;

耐久性はあるみたいでしばらくたって開けてみても問題無いようです。
(輪ゴムで留めてあるだけなので、膜が破れてもいつでも簡単に取り替えられます)

★2010.3.12追記

変な音になるのは4ミリと薄いMFDによる共振が一番の原因ではないかと思い、エンクロージャーを重くし、共振しにくくすることに。
具体的には油粘土を後ろに貼り付け、さらにその上から厚盛りができる接着剤で塗り固めて固定します。
接着剤には造作ボンドCK11 42725というのを使いました。
この製品は健康住宅対応製品ということで、臭いも殆ど無く、密閉された部屋でも使うことができます。
ずいぶん前にホームセンターで買ったものですが、一本800円前後みたいですね。

Nendo

下地の油粘土はユニットの後ろの音が回り込みやすくするように、角を丸めて洞窟(笑)をイメージして盛ってみました。

Bond

結果、かなり重量も増え、音量を上げても共振が起こりにくくなったようです。
実際に音を聞いてみると低音も安定して出るようになり、音が変な感じになった曲も普通に聴けるようになりました。
ノーマルで聴いてもまあまあ低音が感じられますが、WindowsMediaPlayerのSRSのTruBass、WOWエフェクトを軽くかけると良い感じになります。
でもやっぱり低音の質や出方は物足りない感じ。コンドームのほうが良かった気がする…

あとはユニットを上向きにして1週間ほど寝かせておけば乾くんじゃないかな~。


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February 26, 2008

サウンドカノンMkII(塩ビ)で色々試聴中

 サウンドカノンMkII(塩ビ)でジャズやアニメサントラ、歌謡曲、テクノ、ロック、ポップス(クラシックのソースがあまりない(^^;)と色々聴いているんですが、適度な音量で再生すると(一部変な共振を起こすような曲でなければ)本当に元気な音が出ていて、驚いています。(^_^)

 ことに音の定位も重要なコンボ編成のジャズはホーンをつけないで聴くのが一番いい感じです。
 逆に、かなり古いですが、ヒカシューの井上さんのゴジラ伝説I,IIなんかはホーンをつけると曲によってとても存在感のある低音が出たりして、これもなかなか楽しい。特にゴジ伝IIの低いシンセブラスが迫力の宇宙大怪獣ドゴラの3曲目や三大怪獣 地球最大の決戦なんか、10cmのホーンを付けて聴くとまるでウーハーがあるような、ものすごく重厚な低音がでている感じがします。

 ただ、低音はスピーカーの特性もあってか、ソースの低音部が弱いと逆にスカスカになることもあります。(昔の歌謡曲なんかに多い)
 曲によってはラジカセサウンド風にも楽しめますヽ(^~^;)ノをぃ

 塩ビの管の(紙に比べて)重量増加による安定性とホットボンドで高めた密閉性も相当効いているようで、うすしお味でよく出ていたビリつきは影を潜めました。出てくる音がこの大きさからは想像できないほどエネルギッシュなんで、スイング感たっぷりのJAZZなんかも案外迫力があり、スネアドラムやサックスやボーカルもリアル。ウッドベースも音質的に相性が良いのか、あまりゴムの響きくささを感じません。たまにびっくりするような低音(の雰囲気)が出たりして、やはりこの大きさのスピーカーで従来のやり方では出ない音だと思います。夜は耳から1mちょっと離して後方30cmほどに壁がある位置で、コンドームの背面からでる音もナチュラルに拾えるようなセッティングで聴いていますが、WINAMPのイコライザのマイオリジナルなノーマル設定でずっと聴いていて疲れない音になってます。

Spk
左下のちっこいのがサウンドカノンMkII、右下がサウンドカノン(うすしお味)
真ん中がJBLの4312M。もちろん大音量では低音から高音まで、あらゆる面で
4312Mの圧勝ですが、深夜の小音量なら小口径、フルレンジ一発の
サウンドカノンのほうがバランスがとれて、4312Mよりいい感じ(^~^)

 結局この極小サイズでは無理に従来のボックス型のエンクロージャーで背面音圧を増幅するのは妙な箱鳴りを誘うだけで、(少なくとも素人の私のような人間が作ると)音を悪くするということなのかもしれません。
 自分が以前色々作ったこの種の無理やりサイズのボックス型スピーカーとは音質が雲泥の差で、MkIIでは音のひとつひとつがクリアで、低音なんかの質も従来のものは相手になりません。適度な音量で聴けばこの貧弱なスピーカーユニットでも、潜在的に持っている音の全てがストレートに出てくる、そんな感じです。

 夜、小音量で聴くのには普通のブックシェルフ型なんかより全体のバランス取れてますし、少なくともうちにある数千円程度のアンプ内蔵PC用スピーカーの妙に色の付いた音より自然でクリアな音が出てますね。

 このスピーカーで普通に聴くにはイコライザーでの調整は必須ですが、そうした電気的調整に最初抵抗はあったものの、よく考えてみればこれって、従来のエンクロージャーで音の響きが悪くなる吸音材を入れて(ロスを覚悟で)音を調整することと大して変わんないんですよね。もちろんスピーカー側でできるだけフラットな音が出れば、PCでの再生以外にも対応が簡単なのでそれに越したことはありませんが。

 あんまり音が気に入ったので、プア・オーディオの主旨には反しますが、機会があれば100円スピーカーを超えた入力レベルに耐えられるFOSTEXの一番小口径の安い8cmのユニットでMkIIIでも作ってみようかなどと考えています。コンドームの振動がそうした高性能スピーカーの背面の音圧とうまくバランスがとれるかどうかが鍵のような気がしています。

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February 23, 2008

サウンドカノンMkII (塩ビ)

 てなわけで、サウンドカノン改良型を制作。

Normal

 今回はサウンドカノン(うすしお味)でチップスターとマーブルチョコを使った紙製の部分を塩ビパイプの継ぎ手で作りました。
 スピーカーを付けた継ぎ手は内径6cm、長さ5cmちょっとで、ほぼうすしお味のものとかわりません。(奥行きを長くすると、逆に塩ビの反響が起き、音に悪影響が出るようです)
 これを電動ドリルに直径2.5cmのホールソーを付けて穴をあけ、丁度良い外径のL字継ぎ手を差し込んでます。

 スピーカーや継ぎ手同士の接合は面倒なので、すべてホットボンドでつけました。おかげで、密閉度が大幅アップした上、うすしお味よりさらに手間なく簡単にできました。コンドームを使った構造はまったく同じです。写真のL字継ぎ手の前に挿し込んであるの緑色のものはビニールパイプを短く切ったもので、この先にさらに長いホーンを付けられるようにしています。

 肝心の音ですが、密閉度が上がり、紙筒の共振が抑えられたせいか、うすしお味で割と出ていたビリつきや音の濁りもかなり抑えられているようです。安定感がありますね。(うすしお味同様、WINAMPのイコライザーを使わないとちょっと辛いですが)
 上の写真の状態で普通に聴けますが、うすしお味のような音の広がりは弱いので、広がりが欲しいときはうすしお味のようなホーンを付けます。

P1
 塩ビソケット(長さ5.7cm)をつけた例。ちょっとだけ広がって低音もアップという感じでしょうか?あんまり面白みはありません。

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 砲身長10cmバージョン。
 うすしお味で使っていた包装紙の紙製の芯です。物理的に重量バランスもよく、音に広がりが出てきます。逆に言えば歯切れがなくなってきます。ただ、同じ長さだと音質が安定したせいか、うすしお味より広がりが無いんですよね。

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 迫力の長砲身バージョン。(砲身長19cm)
 最初、夜なので小音量で聴いていたとき、楽器の音色の変化も大きく、変な共振が起きやすいので、あんまり使えないかなと思っていたのですが、朝、久石譲を割れない程度に大きな音量で離れて聴くと、紙筒効果が丁度よくなるのか、なかなか音に広がりと低音部に迫力が出て、10cmの時よりいい感じがしました。
P4
後ろ側はこんな感じ。

作りをしっかりするとやはりそれなりに音質は上がりますね(^^)
しかし、我ながら相変わらず工作が雑ですねぇ(w

 

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February 21, 2008

ちょっと変わった小型スピーカーを自作してみた

サウンドカノン(うすしお味)の製作 (2008.2.21 改訂)

 えーと、せっかくオリジナルで小型のデジタルアンプも作ったことだし、これに繋げるパソコンでMP3などの再生をするためのちょっと変わった小型スピーカーを自作してみました。
 外見は以下のようなもので、ある程度の道具(ドリル・ピンバイスなど)と材料さえあれば誰でも簡単に作れます。(半田づけができればなお良し)

Soundcannon

・・・あ、お客さん、帰らないで・・・(^_^;/"

 見かけからは、どう考えてもまともな音が出そうにないしょぼしょぼな感じですが、これがどうして、なかなかびっくりなサウンドがでるんですよ。作った本人がいざ音を出してみたら想像以上に良い音が出たんで冗談だろう?と笑っちゃったくらいですから。
 使っているユニットは一個100円のスピーカーですが高域は延びがあるし、低音も少なくともサイズや見かけにそぐわないくらい出ます。(当者比)

 音の秘密はスピーカーの横にくっついている大砲のように前に突き出た紙筒ホーンと、スピーカーの後ろに使用した振動板にあります。

 超小型で低音も出て音がいいスピーカーというと真っ先にBOSEのM3が思い浮かびますが、どうやってそんな音を出しているのか興味があって(と言っても実物は音すら聞いた事が無いわけですが)こちらの記事を読むと、どうやらスピーカーの後ろにある2枚のパッシブラジエーター(駆動力の無いスピーカー)らしきものが振動して豊かな低音を出しているらしい。(違うかもしれんけど)

 M3くらいのサイズで低音を鳴らそうとすれば、まともな作り方ではできないわけで、まあ音響素人の分際で、ここでM3に倣って何か適当な振動板を共鳴させる方法の小型スピーカーを作ってみたいと思ったわけです。スピーカーユニットは以前、秋月電子で20個で2,000円で買った6.7cm口径のがまだいっぱいありますし。

Sp

 で、最初はメインのスピーカーをチップスター(ポテトチップ)の丸い筒にくっつけてその後ろに線を繋いでないスピーカーをくっつけて音を出してみたわけですが、さすがにこのサイズで専用ドロンコーンでもないものを置いてもまったく効果ありません。
 それでは太鼓の皮のように振動しそうな膜をつければいいんじゃないかってことで、工作用に買いだめした薄いゴム手袋の面積の大きいところを切り取ってできるだけテンションをかけて貼り付けてみたわけですが、これもまだ厚いせいか、かなりおおきな音をだしてやっと少し震える感じ。これでは使いものにならんだろうということで、もっと薄いゴムの膜があれば・・・・と、当然次に思いつくのはコンドームですよ(爆)

・・・あ、お客さん、帰らないで・・・(^_^;)

 つまり、非力なスピーカーユニットでも裏の空気圧でコンドームみたいにコンマ1ミリ単位の弾力のある膜なら容器に密閉した状態であまりロスなく受け止めて、振動するわけで、その容器にダクトの穴あけてホーンをつけるだけでかなりの音の増幅が期待できるかなと。容器の形状や容積で結構コンパクトにまとめたり、低音とかさらに増やしたりもできそう。

 これを思いついた深夜、24時間あいているちょっと離れた大型ディスカウントショップにコンドーム買いに車を飛ばしましたよ、スピーカー作るために(笑

 てなわけで、今回作ったのはコンドームを振動板に利用したパッシブラジエーター式っぽい小型スピーカーです。
実際にチップスターの筒を介してスピーカーの後ろにテンションをかけて貼り付けて鳴らしてみるとかなりいい感じで震えています。ほとんど密閉するとさすがに音がこもって小さくなります。貼り付けに使ったビニールテープを少しはがして隙間に耳をつけると結構な低音が聞こえてきます。

 あとはこのユニットの裏とコンドーム間で発生する音をホーン(筒)で外に逃がして低音を取り出してやればそこそこいい音のスピーカーができるんじゃないかと。てなわけで、スピーカー全体のサイズは極力小さくしたいので、長いホーンをつけてやれば低音成分を取り出せるだろうと、上の写真のようになったわけです。
 別に直線的なホーンじゃなくて、バックロードホーンのような迷路にしたり形状や素材はなんでもいいとは思うんですが、今回加工が簡単なんで紙製直線ホーンで行きました。

 で、10分くらいでスピーカーが1個完成。思った以上によく鳴るんで笑ってしまったのは前述の通り。さらにもう一個作ってステレオに。最初はニア・フィールドスピーカー(耳の近くで聞くタイプ)を目指していたんですが、ためしに2メートルちょっとほど離れて大きめの音をだしてみたところ、ソース次第ですがこれがまた意外に聴けたりします。
(小音量で聴く時も少し離れたほうがいい感じに聞こえたりします)

 離れて聴くと音に広がりを感じる音場型スピーカーになっているようです。広がりは多分コンドームの薄いゴム膜独特の振動のせいでしょう。これはイコライザーの設定で変化します。
 このスピーカーに関してはそのままでは中音域が強すぎるので低音・高音を調整するWinampのイコライザー使用は必須です。低音を強調することで、コンドームの共鳴が大きくなり、効果が倍増する感じです。
目を瞑ると低音が出ているのでもっとでかいスピーカーの音に思えてきます。(当者比)

 薄いゴム膜の振動エネルギーは思ったとおり強い上、ホーンから出る音量のロスが少ないせいか、自作の1Wデジタルアンプでも割と元気に鳴ります。(本体のつくりとユニットが貧弱&アンプも限界なので時々割れたりビリつきますが・・・;)
で、出力の大きなアンプに繋いでみたら、ボリューム押さえ気味の時はわりといいんですが、しばらくすると音量的に1Wのアンプと同程度でもやはり100円スピーカーでは連続使用はできないようで突然バリバリいい出し、慌てて外しました。やはり無理はいけないようですw

 で、このスピーカーはかなり気に入ってしまったので、思わず名前まで考えてしまいました。(笑)
最初、外観からサウンドキャノンと呼ぼうかと思ったのですが、災害対策用スピーカーでそういうのがあるらしいので、サウンドカノン(うすしお味)に変更。うすしお味は好きなチップスターのうすしお味の筒を使っているのでw
 まあ、別に連邦軍ボールスピーカーでもコンドームスピーカーでもなんでもいいんですが・・・

 てなわけで、前置きが長くなりましたが、製作手順です。(材料さえ揃えば作るのは簡単なので、あっという間にできると思います。子供の工作レベルですね)

材料は、
・小口径のフルレンジスピーカーユニット2個(ステレオの場合)と配線ケーブル
・ユニットの口径に見合った適当な筒(秋月の100円ユニットの場合、チップスターの筒が丁度いい)
・低音取り出しホーンに使う細めの筒(明治のマーブルチョコの筒がお勧め!)2,3本
・ビニールテープ
・コンドーム2個(当然薄くて破れにくいものがいいです)
・薄手のアルミ板など(ユニットを本体の筒に固定するためのもの。アルミに限らず使えそうなものならなんでもいいです)
・小ネジ適当な本数(ユニットを筒に固定するため。ネジでなくても固定できればなんでもいいです)


では製作に入ります。

L_horn

↑まずホーン用のマーブルチョコレートの筒を左のようにカット(短いほうは蓋の筒のほうを使ってます)
L字に繋げて(写真中央)、接合部を音が漏れないようにビニールテープでぐるぐる巻きます。(右)

Chipstar1

↑次に本体のチップスターの筒を5cmほどの長さにカットし、側面にホーンを取り付けるダクト(穴)を横にあけて(左)、L字型のホーンを差込み(中央)、接合部を音が漏れないようにビニールテープで塞ぎます。(右)

P3


チップスターの筒にユニットをとめる薄手のアルミ板とネジ。金切鋏で適当な形に切り、ネジが入る太さの穴をドリルで開けてます。(左) アルミ板を折り曲げてユニットにネジ止め(中央)し、チップスターに被せてビニールテープで巻いて固定。ユニットと筒の間は音が漏れないように厳重に巻きます。(右)
ユニットを取り付ける際はホーンの向きに注意

Condom

↑コンドームを根元あたりまで出します。(左)
チップスターの裏側にコンドームを装着。この程度の筒の大きさならよほど破れやすいものでない限り大丈夫だと思います。手の爪は切っておいたほうがいいですね(中央) コンドームの先を引っ張ってテンション(張り具合)を調整します。スピーカーから音を出してホーンの出口に耳を付け調整。低音が共鳴して量感を感じる程度にボンボンなるくらいならOK。あまり強く張る必要は無い(破れやすくなりますし)ですが、ある程度の張りは必要です。
テンションが決まったらその位置で親指などで押さえつつ、輪ゴムで仮止め。(右)

Finish

コンドーム側も側面をビニールテープでぐるぐる巻きにして固定。あまったコンドームの先の部分はカット。(左)
あとは、ホーンをある程度の長さに継ぎ足します。(右)
ちなみに継ぎ足す側の筒もマーブルチョコでいいんですが、音を出した時に共鳴して音がビリつきやすいようなので、ダイソーで買ってきた巻いたラッピング用紙の芯のボール紙の筒を使っています。マーブルチョコよりわずかに口径が小さいので長めに切って前後にずらすことにより低音の量を調整することが可能です。
ホーンは前後の長さを14~15cm程度にしています。(ホーンの先に耳を当てて音を出すと低音の具合がわかります)

 以上で完成。廃物利用がうまくいけば本体の材料費は数百円でできるでしょう。うーん、プア・オーディオな出来栄え。

 とりあえず色々な曲をかけて聴いているんですが、このサイズ、この乱暴な作りのお手軽スピーカーですから、PCのMP3プレイヤー(私はWINAMP使ってます)でイコライザーで中高音を抑えないと使い物にはなりません。最初、WINAMPで標準で付いてくるイコライザーのプリセットのFullBassとDanceを主に使っていましたが、現在は下のほうにあるオリジナル設定を使っています。

Eq
<FUll Bass>

Dance
<Dance>

 かなり古いですが杏里や渡辺宙明サウンドの傑作イクサー1(OVA)のサントラのようなベースやシンセドラムが心地よい楽曲やハードロック、エイベックス、ダンス・パラパラ系などで、リズム担当の低音が歯切れよく強調されている曲に楽しめるものが多いようです。
 
 意外だったのが、久石譲の澄んだ音楽なども結構綺麗に再生してくれることで、こちらのほうがこのスピーカーの持ち味と言えるかもしれません。風の谷のナウシカやラピュタなどのストリングスが綺麗に伸びてぐっと盛り上がるような場面もなかなか高揚感があります。高域に限らず全体に軽くエコーというか、リバーブがかかった感じでソースによっては伸びやかさが増します。

 もちろんこのサイズの安物スピーカーユニットを使ってますし、BOSEのような技術を使っているわけでも無いですから、重低音~腰の入った低い低音あたりが出るはずもなく、ドラム、ティンパニ、オケヒ、シンセベースなどで低音の雰囲気が出ているといった程度のはずなのですが、ソースによっては音量を多目で聴くとかなり低音に量感があったりします。このスピーカー向きの曲ならツボにはまるといった感じでしょうか。

 ただ、問題点も少なくは無いです。基本的にジャンルではなく、曲単位でソースを選ぶスピーカーだと思われ、合わない曲はとことん合わないようです。以下、そうした問題点をいくつか。

1.アコースティックギターなどで特定の音階(やその前後)で共振がおこり、音量に関わらず音がビリつくことがある。共鳴して音が揺れたり、うねることもありがち。
2.楽器の音色、音階によっては薄いゴムの振動っぽく聞こえたり、低域で紙筒がぽんぽん鳴っているように感じることがある。楽器によっては音色が変。
3.ソースによってはバックで終始共振で音が濁っているように感じることがある
4.高域が耳に痛い
5.ホーンが自分を向いていると気になる(特に尖端恐怖症とかだと辛い)
6.コンドームが破れやすい。使っているうちにだんだん緩くなることも懸念される。経年変化にも弱そう
7.多分薄いゴムは温度変化に弱い
8.作りたての時はゴム(またはゼリー)くさい

上記の対策としては
1.は音量やイコライザーでの調整に腐心する。またはあきらめて聞き流す
2.このスピーカー独特の味わいということで納得する
3.1の対策に同じ
4.1に同じ。(下のノーマル設定を使うとかなり聴きやすくなると思います)
5.横向きに置いてユニットを自分に向けると、ホーンはやや逸れる。(下の写真)
6.いつでも張り替えられるようにコンドームを常備しておく
7.温度ごとの音色を楽しむくらいの生温かい余裕を持つ
8.慣れる

などが考えられます。ヽ(^.^;)ノ

Yoko
横置き

 てなわけで、Winamp用の多くの楽曲をできるだけ無難に鳴らせるノーマル設定と深夜に小音量で聴く時のラウドネス設定を作りました。(ラウドネス本来の意味は違いますが、目的がということで・・・)
 前者は目的上、おとなしめの音です(が、曲次第では暴れます)。バックに小さく流れるストリングスパートが一定の音域でほとんど聞こえなかったりする欠点もあります。
 後者は小さい音量前提なので大きくすると結構破綻する曲があるかもしれません。
eqfファイルもアップしておきました。
eqfファイルはWinampでグラフィックイコライザのPRESETSボタンからインポート(Load)できます。

<ノーマル設定>

Normal

左クリックで保存を選ぶか、ファイル名を右クリックし、対象を保存でダウンロードできます-> normal01.eqf

<ラウドネス設定>

Loudness

左クリックで保存を選ぶか、ファイル名を右クリックし、対象を保存でダウンロードできます-> Loudness01.eqf

Winampについては検索するといっぱいありますので、ご参考までに-> グーグル検索(Winampの使い方)

 以上、制作自体は簡単にできますので、スピーカー自作派の方には騙されたと思って作ってみていただいて、感想など聞かせていただければ嬉しいですね。いや、本当に騙されたと言われても責任とれませんが・・・こういうのは私本人の感性・気のせい・自己満足のバイアス過多&スキルの不足が大きいので・・・(と逃げをうっておく)

それでは(^_^)/

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February 14, 2008

デジタルアンプ制作過程その4

 てなわけで、VUもどきメータ付き小型デジタルアンプ製作も大詰め。

 いよいよ最後の前面パネルです。
 最初からこのアンプはルックスを既存のオーディオアンプ風にしたかったので、前面パネルは高級感のあるアルミヘアライン仕上げ風にしたかったのです。
(じゃなければパーツショップで売っている、利便性も見た目も良い電子工作用のアルミケースや100円ショップのタッパウエアでもいいわけで、ここだけにはこだわりたい(笑))

 しかし、手間のかかるのは嫌(笑)ということで、結局前面に取り付けた透明アクリル板にアルミヘアライン仕上げ風のカッティングシートを使い、メータの窓とスイッチ、ボリュームの穴をきれいに開けてぼろ隠しという方向性に決めました。
 ただ、単純にシートを貼っただけではメーターが相当上のほうにあるので見た目に間抜けな感じがするのは想像に難くなく、既製品風にそれっぽい文字を色々入れてバランスをとらなければいけません。
 そのためにはインレタ(インスタントレタリング)が一番簡単ですが、最近は流行らないのか、入手は結構困難。少なくともうちの近所では入手できません。この時点では通販でなんとかするしかないかと思っていました。

で、とりあえず近所に2軒ある大きめなDIYショップでかっこいいアルミヘアライン風のシートを探してみましたが、両方の店ともただ銀色のカッティングシートはあってもヘアラインが無く、あまりに安っぽいので却下。

 仕方ないのでネットで探すとこんなのがありました。→【中川ケミカル カッティングシート】ヘアライン M寸450mm幅×m単位【切売】
小さな写真を見る限り目的に適いそうですが、実物の感じがよくわからず、届いてみてがっかりというパターンも考えられ、何より送料も入れると結構高い。すぐに発注するのも躊躇われ、さらに一考。

 前述のインレタの件もあり、もしプリンタ用紙でアルミヘアライン風のラベルがあれば、インレタを使うまでもなく、それに文字を印刷して貼りつければいいんじゃないかと思い当たり、近所のKsデンキに出かけました。
 プリンタ用紙コーナーで物色すると、いい感じのヘアライン仕上げの用紙は名刺用にひとつだけありましたが、当然小さくカットされ、使えません。

 やっぱりそんなに都合の良いものはないかと思っていたところ、棚の下のほうにヘアライン仕上げではありませんが、インクジェット用のメタリッククラフトラベル(TC-MKL-2)というのがありました。A4の2枚組みで実売400円しない用紙です。(リンク貼るのに検索したら、残念なことに廃盤商品らしいので在庫限りで販売終了?なんてこったぃ_| ̄|○ 後継商品は出るのかな?とりあえず店に残っていたのを買い占めに行かねば……(^^;)

Metalic

 基本的にエプソンPMシリーズのインクジェットプリンタ用で、キヤノンには対応していません。(メタリック効果が得られないようです)
 印刷するとメタリックな感じになるというちょっと不思議な用紙ですが、もしかするとこれにパソコンで作ったヘアラインの画像を印刷すればいい感じになるのかな?と考え、当然うちは代々エプソンプリンタなので、これを試してみようと思いました。

Myamp000

 これを買って帰り、上のようにアンプを真正面から標準ズームの望遠側で撮影し、それをアタリに前面に印刷する文字やメータの窓枠を作成。とりあえず普通紙に印字してカットし、実際にアンプにあてて位置や穴の大きさを微調整。
 ヘアラインはフォトショップでノイズを発生し、移動ぼかしを水平に極端にかけるお馴染みの方法で簡単に作成。
最終的にメタリッククラフトラベルに以下のデータを印刷しました。(サムネールをクリックで原寸)

Myamp00

 で、印刷の上がりを見ると、おお、見事にヘアラインの部分がそれっぽくなっているじゃぁありませんかヽ(^.^)ノ
印刷する前はくすんだ白銀の紙の上にさらに白い粉がふいたような感じなんですが、確かにインクが乗った部分がいい感じにメタリック。いや、これはなかなかいいですよ。こういう用途には特にお勧めです。(後継商品をだしてくれるようメーカーに訴えようかなぁ(^^;))
 あんまり嬉しいんで、ついでに300dpi、A4サイズのヘアラインを作ったのでここに貼っときます。もし運よくこの用紙を入手できました際は試してみてください(笑

Hairline

 これでインレタを入手することなく、印字したものをカットしてアンプ前面に貼り付け、思い通りの感じにすることができました。(嬉)
ボリュームの目盛りは雰囲気のものなので、適当ですが、VUメータだって大嘘なので問題ありません(笑)

 このメタリッククラフトラベルですが、使用上の注意点としてかなり反りやすく、厚いのでそのままプリンタに送ると紙詰まりしやすいです。(実際これで失敗しました)できるだけ平面になめすか、逆方向に反らすくらいにして使うのが良さそう。インクの乾く速度は普通に速いですが、念のため印字し終わったら少し置いたほうがいいかもしれません。なんせ、一枚あたり200円近くしますので。

 それと、ラベルなので後ろに糊がついていますが、弱いので、貼るものや状況によっては接着剤を使用したほうが良いかも。また、指で触ると水分のせいか、脂のせいか、そこだけ濃くなったりしますがぺたぺた触りまくったら目立たなくなりましたし、時間がたつとそんなに気にならなくなります。(乾くのかな?)

 いずれにしろこの特殊なプリンタ用紙のおかげでめでたくオリジナルアンプは完成したのでありました。

 その後パソコンに電源用のUSBとミニプラグを繋ぎ、4日ほど延々音楽を再生していますが、特に問題なく鳴っています。(ボリュームを最大付近にするとLEDがちかちかしますが)

 繋いでみたPCはノートタイプの松下のLet'sNote CF-R1とIBMのThinkPad A20pですがどちらも長時間ノントラブルで曲の連続演奏ができてます。ただ、CF-R1(Win XP)でUSBを抜いてから再度差し込むと供給できる電力を超えましたとかなんとかのダイアログが出てきます。やはり限界近くまで電力使ってるんですね。このダイアログが出てからUSBポートのリセットを促されるので、リセットすればそのまま使っていられるようです。(その後の長時間動作も確認済み)Thinkpadのほうはまだ試していません。

Ampfin
敢えて紙っぽいとバレるアングルから……ヽ(^~^;)ノ

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February 13, 2008

デジタルアンプ制作過程その3

 そんなわけで、デジタルアンプ製作記その3。

 さて、ケースを作る(外側を作成する)前に、以前から気になっていた2つの事がありました。
 まず、このアンプキットの説明書の「■使用上の注意事項」として
 ・電源はDC5Vを標準としますが、ICの電源範囲はDC2.7VからDC5.5Vですから電池駆動も可能です
という記述です。今回、色々電気関係のHPを見ているうちに、USBから直流5V前後の電源が取れるとわかったので、このアンプにUSBからそのまま電源を供給しても動くんじゃないかという事。
 もうひとつはスイッチングAC電源アダプタが恐ろしくノイズを発生するので、離れた場所にあるラジオに雑音を入れるだけでなく、再生中も無音の時にノイズがはっきりわかる事。パソコンは起動していてもある程度離れていればラジオにはほとんど影響が無いので、USBから電源を取ればこの問題も解決するのではないかと考えました。

 で、結局ものは試しとACアダプタ用の電源端子に加えてUSBの電源端子もつけることにしました。初心者の分をわきまえぬ行為です(笑

 USBでの電源供給は非常に単純で、Aタイプ(パソコン側に挿す平べったい奴)だったら4つある端子の内の両脇がVcc(+)とGND(-)、Bタイプ(周辺機器側に挿す正方形っぽい奴)なら片方の上下と、極性さえ間違えなければ工作自体は半田付けができれば簡単です。
 このあたりはますた~さんの「ミ☆ ぱそびぎ ミ☆」というHPのこちらのページが参考になりました。

 が、反面これは非常に危険な行為で、万一極性を間違えたり、ショートしたりすると繋いでいるパソコンが最悪壊れてしまうというリスクがあり、本当に自己責任の世界なわけですね。(もしこれを読んでUSBから電源をとってパソコンが壊れても責任がとれませんので悪しからず(^^;)

 実際、試作の仮止め段階でUSBから電源を取って音楽を再生している最中、一度アンプをちょっとだけ横に移動した際にアンプ側のUSB端子が接触したのか、ショートしたようで、繋いでいたThinkPadが一瞬で落ちました((((;゚Д゚)))ガクブル
 その後ThinkPadの電源が入らず、完全に逝ってしまったのかと焦ったのですが、4度目くらいに電源を入れた時に普通に起動してほっとしました。Thinkpad側で保護回路でも働いていたのでしょうか・・・・。とにかくこれで完全に固定するまでは軽はずみに動かしてはならんと固く誓ったのでありました。鶴亀鶴亀。

 で、最初はキーボードについてきたUSB PS/2変換コネクタがいっぱい余っていたので、これをばらして繋ぎました。(アンプに取り付けるのはA型メスになります)

 半田付けが終わり、PCにUSBケーブルを繋げる瞬間はさすがに緊張しましたが、すんなりLEDも光り、パソコンからの音声データも特に問題なく鳴り始め、またちょっと感動。

Usb_aa
光ってます。動いてます。鳴ってます。
Usb_aa2
上からの眺め

 そして、予想通りスイッチングAC電源アダプタで発生していたノイズが出ませんでした(嬉)
 曲間のノイズも消え、横のAMラジオも雑音なく鳴ってますヽ(^~^)ノ

 ただ、アンプ側の音量の最大に近いあたりで電力不足が起きるのか、発光ダイオードの明るさがちかちかと変化しますが、その時も音もメーターも普通に動作しますし、普通の音量で使う分にはUSB供給の電源で特に問題なく使えるようです。
 (電気の素人ゆえ、もしかすると長く使っているとボディーブローのようにPCに悪影響がある可能性も無いとは言えず、やはり自己責任で使うものですが)

 ただ、繋いでいたAAタイプのUSBケーブルが一本しかなく、長さも中途半端なのでHARD OFFや近所の電気屋にAAタイプのケーブルを物色しに行ったのですが、なぜか売っているのはABタイプばかり。USBケーブル、昔はAAタイプが多かったような気がするのですが、今は完全にABタイプが主流のようです。(うちでも色々探した際、結局あったのはABタイプばかりでした)
 後にダイソーでAAタイプのケーブルも100円で売っているのを確認したのですが、やはり汎用性を考えればアンプ側はBタイプのメスをつけたほうが良いだろうということで、昔使っていたUSBのメモリカードアダプタのケースをばらしてBタイプのメスを摘出し、半田づけしなおしました。

 これで単三電池3本(4.5V)を入れた電池ボックスに先ほどまで使っていたAタイプのメスをつければ、そのまま同じUSBケーブル(ABタイプ)で電池からの電源供給も簡単にできます。(^^)

 てなわけで端子類も揃ったので、背面に端子を固定する作業にかかりました。背面は加工性の良いMDFに穴を開け、アンプ全体をL字のアルミアングルなどで適度に補強することで、抜き差しの際も抜けないようにすることを重視。USB端子やミニジャックの固定はアルミの切れ端などを利用して押さえるようにねじ止めしてます。工作が雑で下手ですが、まあ、普段はあんまり見ないからいいかなと(笑

Haimen01
MDFならドリルとカッターで穴あけが簡単

 最終的に背面は左からステレオミニジャック(入力端子)、USB Btypeメス(電源)、ACアダプタ(電源)、スピーカー端子と並んでます。

Ura01

 これをアルミのL字アングルで補強しつつベースに固定。ベースの下部は四辺をU字アングルで固定してますので、これにネジ止め。さらに前面はメーターがあるので透明のアクリル板を使用。あとで壁紙のように加工の楽な素材を目隠しに貼ろうという目論見です。(そのため、固定には皿ネジを使い、2.1mm径で穴を開けた後、ずっと大きめのドリルでネジの頭が前面の平面から出ないようにさらに削ってからねじ止めしてます)

Katei01

 各所をL字アングルで補強してます。固定はすべてネジどめ。(ナットのついた2.1mm径、長さ8mm~1cm程度の皿ネジ、鍋ネジを使ってます。電池式の電動ドライバ(ドリル兼用)が大活躍。

 さらに上の辺も前後にL字アングルを渡して、プラグ類の抜き挿しへの補強も。

Katei02

その後、側面を1mm厚のアルミ板をU字に折り曲げて囲い、左右下部合計4箇所をネジ止め。やはりいつ内部にトラブルがあるかわかりませんので、4つネジを外せばいつでも開けられるようにしておきました。
ちょっと折りが大雑把で寸法もいい加減ですが・・・(^^;

Sokumen


あとは前面をなんとかするだけです。

<その4に続く…予定>


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February 12, 2008

デジタルアンプ制作過程その2

 というわけで、VUもどきメーターをとりつけるべく、再びHARD OFFに行ってかっこいいVUメーターのついたビクターの壊れたカセットデッキを購入。500円くらいでした。この値段なら最終的に部品を2,3個使えればもとがとれるわけですが、ばらした後にケース等の廃品が大量に出るのが玉に瑕。

Junk01
結局このデッキからは半固定可変抵抗や大量のリード線を利用できたので、コストパフォーマンスは良かったですね。

 で、肝心のVUメーターですが、摘出しても一個だけでも下の写真のような大きさなので、そのまま使うと、予定よりとてつもなく大きなものになってしまいます。(結局このVUメーターの表示の目盛りをスキャンして縮小して使ったので、とりあえず有効活用されてます)

Vu01

 最初は根元の周囲を小さくカットして背面のメーター板を縮小して作ろうかとも思ったのですが、それでも手間がかかるので、前述のMKKさんの「VUメータ(もどき)の製作」のページの3つめのメータ、そう、ダイソーの電池チェッカーのメータを使おうと思い、近所のダイソーに物色に。結局1個200円のボタン電池チェッカーについているメータが大きさ的にばっちりでしたので、これを二つ購入。この手のバッテリーチェッカーのメータは上記ページでは動きの評判が悪かったのですが、所詮雰囲気のものだし、個人的には多少雑でも元気に振れるほうがいいかなと。ヽ(^.^)ノ

Vu02
座りがいいので、動作チェック中はさかさまに。右はメータの目盛りのラベルをはがした状態

 あとはこのメータをいい感じで入力された音声信号に応じて振れさせなければなりません。とりあえずそのまま繋いでみたのですが、やはりアンプに送る前のミニジャックからの音声入力の信号ではレベルが小さすぎてぴくりとも動かず、アンプで増幅されたスピーカー(OUT)側に繋いでみても、最大のボリュームでやっと半分程度まで動くという感じで、自分で回路を組んで増幅するしかないようです。さあ、困った(笑

 MKKさんのページにメータを振らせるための増幅回路図がありますが、正直私にはまだまだハードルが高すぎです(笑
とりあえず、回路図について非常に基本的なことを「始める電子回路」というページで勉強させてもらいました。

 回路図がどういうものか大変参考になりましたが、MKKさんの回路の整流のあたりがチンプンカンプン。
とりあえず信号を増幅するにはOPアンプ(オペアンプ)というものを使えば簡単にできるとのことですので、それをキーワードに探したところ、天姫さんという方の「電子工作のテスト工場」というHPの「オペアンプを使おう」という記事にもっとも基本的なオペアンプ1個と抵抗2個だけでできる非反転増幅回路の回路図と説明があり、これなら私にもできるだろうということで、こちらを利用させていただくことにしました。
 (スピーカー側にメータをつないだ時、音声信号の変化でそれなりに針は振れていたので、単に増幅だけで整流とか難しいことをしなくてもなんとか動くだろうと思いました)

 というわけでこちらのHPにあるものと同じオペアンプ4つ(2つは失敗した時の予備)と1KΩ、2KΩと念のため3KΩのカーボン抵抗を秋月電子に発注。抵抗は100本単位ですが、全部入れても1,000円せず、送料、手数料800円が痛いので、ついでに回路の動作確認用のブレッドボード(700円)も買ってしまいました(^^;送料・手数料は安い部品だけを買わせないための罠なのか…(笑)(800円の手数料も秋葉原に出向くより遥かに安いわけですが・・・)


 発注の翌日届いたパーツでとりあえずブレッドボード上でオペアンプと2本の抵抗で作った増幅回路でメータが入力信号からほどよく振れる事を確認。(針がまともに動いた様子を見た時ちょっと感動)
 ちなみにブレッドボードは説明書も付いていないのでぐぐった所、有限会社システムユースさんの「ブレッドボード(breadboard)の使い方」というページの説明がとてもわかりやすくてすぐに使えるようになりました。ブレッドボードはこの回路の動作実験もそうですが、USB端子で電源の+-の確認等にも大変役にたってくれています。

 てなわけで、悪戦苦闘の末小さなユニバーサル基盤上に左右の音声入力信号の増幅回路とメータを配置、さらにメータの後ろから当てる緑の発光ダイオードを並列に繋いで、見事音にあわせて針を振らせることに成功したわけです。(感激)
ただ、ブレッドボードのような接続は小さなユニバーサル基盤上ではできないので、かなりパーツの配置に苦労しました。

 次に、メータの固体差なのか、初心者の私には分からない理由があるのか、針の振れ具合がどうも右が小さいので、こちらだけ2KΩの抵抗を3KΩのものに交換し、増幅率を上げました。当然、今度は右が振れすぎなので、調整用にジャンクのテープデッキの基盤から取った半固定可変抵抗を左右それぞれ増幅直後に配置。これで左右の振れ具合をいつでも簡単に調整できるようになりました。

Zoufukukairo01

 これで動作的には目的のことが全てできるようになり、左右のスピーカーから出る音もなかなか素晴らしく、あとは普通に使えるようにケースを作ってパーツや端子類を取り付けるだけです。

 と、その前にメータの目盛りがバッテリーチェッカのままでは雰囲気が出ないので、最初に買ったVUメータの目盛りをスキャンし、この小さなメータの目盛りを張り替えることに。最初普通紙に印刷して張り替えたのですが、やはり後ろからの緑色の発光ダイオードの光量がかなり遮られてしまいます。そこで以前別の目的で買って結局使っていなかった「透明フィルムラベル」という透明OHP用紙の裏にのりが付いたようなシールに印字、それを貼り付けることにしました。

Toumei

 印刷したデータは以下のように、複数パターンつくり、気に入ったものを使うようにしました。

Vumeter03_2
300dpi、原寸。上記データ、同様のものを作りたいという奇特な方は画像をクリック、保存して自由にお使いください

 …が、ここで落とし穴。この透明フィルムラベル、インクジェット用ですが、乾くのにかなり時間がかかり、印字できたシートをカットしようと思って定規を当てた時点で盛大に乾いていないインクがずれて使用不能に。結局これ、A4の2枚組なんですが、残りの貴重な一枚に同じように印刷して1日乾かし、さらに上から軽く紙を押し当て、完全に乾いたかどうか確認。(まだ少し乾いていないインクが紙に付きましたがほぼ問題のないところまで乾きました)
 慎重にカットしてメータに貼り付け、裏から緑のLEDを当てるといい感じに光が透過します。

Vu03
右が張替え後

 因みに、上でも書いてますが、このVUメータもどきは入力側に付けてます。(ミニジャックにアンプと並列で接続。)
このアンプはパソコンやMP3プレイヤーのヘッドフォンジャックに繋ぐ使い方をメインに想定しているので、以下のようなメリットがあります。

●音源側のボリュームによる音割れ防止の一応の目安になる。(案外便利)
●PCやプレイヤー等の音源とミニプラグコードでの接続、スピーカーの接続がちゃんとできているかすぐ分かる
  メータの片方しか振れていなければ入力側のステレオプラグがきちんとささっていない。
  両方振れているのに音が片方しか出ない場合はスピーカーコードの接続不良か、何らかの異常によって保護  回路が働いているためとわかる。後者の場合はミュートボタン一押しで解決。

 以上のように最初は飾りと考えていたこのもどきメータも意外に実用性があります。
でも、何より最終的なスピーカの音の大小に関わらず元気にメータが振れるのが良いわけですが(笑

<その3に続く…予定>

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February 10, 2008

デジタルアンプ制作過程その1

 てなわけで、デジタルアンプの制作過程その1です。

 まず、電子工作と言えば秋月電子。ネット上でステレオデジタルアンプキットと専用の超小型スイッチングAC電源アダプタを購入しました。
これです→1Wx2 ステレオ・デジタル・オーディオ・アンプ・キット

 出力は左右1Wずつですが、このアンプにはパソコンや携帯MP3プレイヤーを繋いで、ミニスピーカーでの再生をメインに想定しているので、そういった用途には十分と判断。ただ、ここで買った超小型の電源アダプタは結構凶悪なノイズを発生、アンプに接続すると同じ部屋のAMラジオに派手に雑音を入れてくれます。PCでの音楽再生でも曲の合間にやはりノイズを出します。黙らせるには金属ケースをしっかり作ってシールドを厳重にするとか、何らかの対策が必要なんでしょうね。もしかすると、普通サイズの奴のほうがノイズはあんまり出ないのかな?
(まあ、これはPCのUSBから電源を取れば問題無いので、今はこのアダプタはほとんど使ってません。)

 キットが届いたあたりで仕事があったので数日寝かせ(^^;、時間ができてから組み立て(半田付け)に入りました。説明書も丁寧だし、写真を参考にしながらパーツを半田付けするだけなので、電子工作超初心者の私でも1時間かからなかったです。
 コンデンサの極性(+-)に注意するくらいで、半田をショートさせないように適度に付けるいい練習になりました。
 このアンプキット自体の性能や組み立て方はこちらのページが詳しいです。→フィルタレスD級アンプ・キットの製作 (キットと初歩の電子工作 Kits and Kids)

 で、キットと言っても出来上がるのは一枚の基盤だけなので、これに音源からの信号入力とスピーカーへの出力のための結線をしなければなりません。また、折角なのでONOFFのスイッチとボリューム抵抗を付けたい。と、このあたりでどうせ作るなら外観を一般のオーディオアンプ風に作りたくなりました。

 ならば、そのためのカッコいいスイッチやボリュームのイカしたつまみをジャンクで売っているアンプとかから取ればいいだろうと、電子工作初心者の分際で近所のHARD OFFのジャンクコーナーでつまみやスイッチが一杯付いたレシーバー(アンプにFMチューナーが付いた奴ですね)を購入。700円だったかな?ジャンクも発光ダイオードやつまみ類が多かったりレシーバーのように内部の部品も多そうなのはやっぱり高いですね。

 家にジャンクのレシーバーを持ち帰ると早速、電動ドライバーで解体。とりあえずメインのボリューム抵抗、マイク用のボリューム抵抗、押しボタン式電源スイッチを摘出。押しボタンスイッチはまあ、プラスとマイナスの接点が二つしかないので、電気の通り道にこれを配置すればOKとわかりましたが、悩んだのがボリューム抵抗。
 
Vol01
レシーバーについていたメインのボリュームつまみ一式
同軸で音量と左右バランスが調整できるようになってます

 見れば接点が3つづつあり、それが二組。半日ほど悩んで二組あるのは電流の入り口と出口であることがわかりましたが、問題は3つの接点。ネットで調べても、あまりに馬鹿馬鹿しい常識問題なのか、はっきりと3つの接点について言及している記事がなかなか見つからない。

Vol_3mata
この三つの接点をどうつなげればいいのかに悩みまくる

 結局色々なページを読んでなんとなく、一つがGNDというマイナスの接点、残り二つがステレオになっている左右用のVcc(電源)というプラスの接点らしいことがわかりました。で、GNDは左右とも共通なので、一本で済み、結局接点が三つになるという…つまり、ステレオの場合、左右それぞれに独立したプラスが2本と共通のマイナスが1本の合計3本の線での配線が基本というわけですな。

 で、音声を入力するにはピンジャックか、ミニジャックなどの端子が必要なわけで、サイズ的にこのアンプは小さくまとめたかったし、ケーブルの抜き差しの際、ピンジャックだと結構力を入れて抜き差しするのでケースの補強をちゃんとしなければならず面倒なのでミニジャックに決定。現在全く使っていない何かのおまけで貰った名刺サイズのFMラジオをばらし、ステレオイヤホンジャックを摘出。こっちも3つの接点があり、これをそれぞれ然るべき配置でボリュームの3つの接点に繋げてやればよさそうです。
 で、ミニジャックの構造を検索ワードに探してとても分かり易い図があるページがヒット。真ん中あたりのステレオミニプラグ、ミニジャックの図ですが、ちゃんとL(+),R(+),共通(-)と書いてあります。最初からこのページがヒットしていればあんなに悩まなくてすんだのに…_| ̄|○

 それはともかく、やれありがたやと、参考にさせていただき、ボリュームのリード線の色(赤・白・導線剥き出し)を参考に左右とGNDを決めうちして接続。あとで音を出して逆なら半田付けしなおせばいいと、まあ、適当です。流石にメーカー製の基盤には組み立て作業用の番号は打ってあっても、どっちがLでどっちがRとか+とか-とか、そういうのはほとんど書いてありません。

 さらにボリュームとアンプキットの基盤のINの左右分を接続。基盤は左右のマイナスも独立しているので、ボリュームから出した片方を繋ぎ、あとはそこからもう一方のマイナスを橋渡しのように短い線で接続。

基盤のOUTからはこれまた壊れていた手持ちのスピーカーセレクターから摘出したワンタッチスピーカー端子(左右の赤黒合計4つの端子が付いた奴)に接続。このあたりで半田付けはかなり楽にがっちりとつけられるようになっていました。人間、必要に迫られるのが一番いい訓練になるという見本です。(笑

 とりあえずこの状態でミニジャックに安物のMP3プレイヤーを接続、スピーカー端子に自作スピーカーを接続して音だししてみました。ACアダプタを繋いだ時はもう緊張しましたが、すんなりと左右のスピーカーから音が出て、偶然にも左右の接続も正しいようです。左右バランス用のボリュームを動かすとちゃんと正しいほうが変化します。

 …が、ここで問題が一つ。音が異常に小さいんです。目一杯音量のほうのつまみを回してもイヤホンのスピーカーより多少ましといった程度。これでは使い物にならないので、もう一つレシーバーから摘出しておいた、マイク用のボリューム抵抗に付け替えてみました。こちらは左右のバランス調整用の抵抗はありませんが、十分な大きさの音で音量が変化します。

 メインボリュームのほうは、入力から来た信号を増幅してから使うんでしょうか・・・よくわかりませんが、とりあえず左右調整は諦め、マイク用のボリューム抵抗を使うことにしました。こっちのほうがサイズも小さいので、コンパクトにまとめたいという方向性にとってはありがたいものです。つまみも汚れていましたが、綺麗に拭いてみるとなかなか高級感があり、メインボリュームより大きさのバランスもほど良い感じ。

 てなわけで、ちゃんと音が出て、ボリュームも調整できることがわかったので、次はスイッチですが、このキットの基盤にSHUTDOWNという端子があり、これをショートさせると回路に電流がほとんど流れなくなり、スイッチを接続することでミュートボタンとして使えるようになります。一応、アンプ回路に限れば電源ボタンがわりにもなるのですが、それより重要なのが、回路に異常な電流が流れて保護回路が働き、音が出なくなった時に、これを使うことでリセットでき、音が再び出るようになる事です。(後に実際そういうトラブルに会うたびにこれで救われました)

 そんなわけでこのスイッチはミュート用として接続し、別に電源スイッチを付けるのも面倒なのでONOFFは電源ケーブルの抜き差しで…ということにしました。(後にVUもどきメーターを付けるのですが、これが制御できないので、結局このお手製アンプの電源スイッチにはならないのです(^^;))

Myamp0001
基本パーツをアルミ板でねじ止めして固定

 で、上の写真のように、1mmのアルミ板をメインに、各パーツを固定しました。
 前のほうに結構なスペースが開いていますが、実はこの時点で、諸問題を解決すべく色々インターネットで調べていた際にMKK
さんという方が作成しておられる松下開発研究というHPの「VUメータ(もどき)の製作」というページに遭遇し、あ、これいいかもと、電気工作初心者の分際で、無謀にもアンプにVUメータもどきを搭載しようと決意していたのでありました。(^-^;
(上記ページはトップページのみリンク許可ということを後で読みましたので、トップページのみにリンクを変更しました。メニューのotherから電子工作と進むと見つかります)

 
<その2に続く…予定>

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February 09, 2008

デジタルアンプを自作してみた

Myamp01a

 えーと、なんやかやと忙しかったり、これといったネタが無いのでしばらく休眠してしまいましたが、最近なぜかオーディオにはまっているので、いきなりブログを再開してみたいと思います(^_^;

 オーディオと言ってもひたすら高品位な音を求め、そのためならどんな手間もお金も惜しまないピュア・オーディオではなく、安価に買えたり、安直に自作できるプア・オーディオのほうなんですが…(笑
 幸いにして私の場合大した耳を持ち合わせていないので、100万円超えのオーディオセットの音も10万以下のそれの音も多分区別がつきません。まあ、音がいいのに越したことは無いですが、どっちかというと作って楽しい、見た目が楽しい音を出す「もの」を作るほうに興味があったりします。

 てなわけで、突然プア・オーディオに目覚め、最近は発泡スチロールのブロックとか、ダイソーで売っているMDF(木屑を固めた硬い紙みたいなもの)製のMD(ミニ・ディスク)ケースに秋月電子の20個2,000円(一個百円)のスピーカーユニットをくっつけて遊んでいたわけです。

 で、それが発展して最近覚えた半田付けの技を試すべく、無謀にもデジタルアンプの自作に挑戦してみたのでした。半田付けはできても、当方、電気的な知識は皆無、回路図なんぞチンプンカンプン、豆電球の直列と並列の違いがやっとわかる程度の文系人間ですよ。でもまあ、キットだから説明書通りに半田づけすればなんとかなるだろうと、秋月電子の2000円のデジタルアンプキットを購入。

 で悪戦苦闘しながら一週間ほどで完成したのが、今日の写真のアンプです。当初予定の音が鳴ればいいや的仕様から大幅にスペックアップして我ながら満足度の高いものになりました。(^_^)/

一応、現在の仕様は以下の通り。

●アンプ部:テキサスインスツルメンツ社製TPA2001D1モノラル1WフイルターレスD級アンプデバイス(16ピンTSSOP)2個使用の秋月電子で売っているステレオデジタルアンプキット

●正面にVUもどきメーター2個搭載。緑のLEDが後ろから発光。
 (見た目に楽しいアンプを目指しました。薄暗い部屋だと緑のLEDが良い感じで光ります。最近氾濫気味の高輝度青色LEDより落ち着いた雰囲気が出るだろうと、敢えて緑を選んでみました)

Myamp1b

●電源:キットと同時購入したスイッチングAC電源アダプタと、パソコンのUSB端子から電源を取る2電源対応
 (さらに単三電池3本の電池ボックスを作って3電源対応にする予定)

●サイズは奥行き13cm(スピーカー端子含む)・横幅13cm・高さ4.5cm
  (上の写真は無駄に大きく見せようとしてます(笑)が、実際は下の写真の感じ。)
Jissun

で、そのVUもどきメーターが動いている様子が下のムービー。

マック用 : myamp01.MOV

ウィンドウズ用: myamp01.WMV

ちなみにムービーの音楽は昔々X68000にMT-32を繋いで作った自作曲なので版権的にも問題ないでしょう・・・が、ちょっとだけ怪しいか?ちなみに曲名は「迷信桜」(笑

なんか、古いカセットテープを整理していたら出てきたので、MP3で録音しました。
MT-32の澄んだ音とリアルなPCM音源が楽しくていろんな楽器を使ってみたかったのでした。いや、お恥ずかしい(笑

「迷信桜」 meisinzakura.mp3

というわけで、不定期になるかもしれませんが、この自作アンプの製作工程とかプアオーディオ関係について書いてみようかなんて思ってます。

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