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February 21, 2008

ちょっと変わった小型スピーカーを自作してみた

サウンドカノン(うすしお味)の製作 (2008.2.21 改訂)

 えーと、せっかくオリジナルで小型のデジタルアンプも作ったことだし、これに繋げるパソコンでMP3などの再生をするためのちょっと変わった小型スピーカーを自作してみました。
 外見は以下のようなもので、ある程度の道具(ドリル・ピンバイスなど)と材料さえあれば誰でも簡単に作れます。(半田づけができればなお良し)

Soundcannon

・・・あ、お客さん、帰らないで・・・(^_^;/"

 見かけからは、どう考えてもまともな音が出そうにないしょぼしょぼな感じですが、これがどうして、なかなかびっくりなサウンドがでるんですよ。作った本人がいざ音を出してみたら想像以上に良い音が出たんで冗談だろう?と笑っちゃったくらいですから。
 使っているユニットは一個100円のスピーカーですが高域は延びがあるし、低音も少なくともサイズや見かけにそぐわないくらい出ます。(当者比)

 音の秘密はスピーカーの横にくっついている大砲のように前に突き出た紙筒ホーンと、スピーカーの後ろに使用した振動板にあります。

 超小型で低音も出て音がいいスピーカーというと真っ先にBOSEのM3が思い浮かびますが、どうやってそんな音を出しているのか興味があって(と言っても実物は音すら聞いた事が無いわけですが)こちらの記事を読むと、どうやらスピーカーの後ろにある2枚のパッシブラジエーター(駆動力の無いスピーカー)らしきものが振動して豊かな低音を出しているらしい。(違うかもしれんけど)

 M3くらいのサイズで低音を鳴らそうとすれば、まともな作り方ではできないわけで、まあ音響素人の分際で、ここでM3に倣って何か適当な振動板を共鳴させる方法の小型スピーカーを作ってみたいと思ったわけです。スピーカーユニットは以前、秋月電子で20個で2,000円で買った6.7cm口径のがまだいっぱいありますし。

Sp

 で、最初はメインのスピーカーをチップスター(ポテトチップ)の丸い筒にくっつけてその後ろに線を繋いでないスピーカーをくっつけて音を出してみたわけですが、さすがにこのサイズで専用ドロンコーンでもないものを置いてもまったく効果ありません。
 それでは太鼓の皮のように振動しそうな膜をつければいいんじゃないかってことで、工作用に買いだめした薄いゴム手袋の面積の大きいところを切り取ってできるだけテンションをかけて貼り付けてみたわけですが、これもまだ厚いせいか、かなりおおきな音をだしてやっと少し震える感じ。これでは使いものにならんだろうということで、もっと薄いゴムの膜があれば・・・・と、当然次に思いつくのはコンドームですよ(爆)

・・・あ、お客さん、帰らないで・・・(^_^;)

 つまり、非力なスピーカーユニットでも裏の空気圧でコンドームみたいにコンマ1ミリ単位の弾力のある膜なら容器に密閉した状態であまりロスなく受け止めて、振動するわけで、その容器にダクトの穴あけてホーンをつけるだけでかなりの音の増幅が期待できるかなと。容器の形状や容積で結構コンパクトにまとめたり、低音とかさらに増やしたりもできそう。

 これを思いついた深夜、24時間あいているちょっと離れた大型ディスカウントショップにコンドーム買いに車を飛ばしましたよ、スピーカー作るために(笑

 てなわけで、今回作ったのはコンドームを振動板に利用したパッシブラジエーター式っぽい小型スピーカーです。
実際にチップスターの筒を介してスピーカーの後ろにテンションをかけて貼り付けて鳴らしてみるとかなりいい感じで震えています。ほとんど密閉するとさすがに音がこもって小さくなります。貼り付けに使ったビニールテープを少しはがして隙間に耳をつけると結構な低音が聞こえてきます。

 あとはこのユニットの裏とコンドーム間で発生する音をホーン(筒)で外に逃がして低音を取り出してやればそこそこいい音のスピーカーができるんじゃないかと。てなわけで、スピーカー全体のサイズは極力小さくしたいので、長いホーンをつけてやれば低音成分を取り出せるだろうと、上の写真のようになったわけです。
 別に直線的なホーンじゃなくて、バックロードホーンのような迷路にしたり形状や素材はなんでもいいとは思うんですが、今回加工が簡単なんで紙製直線ホーンで行きました。

 で、10分くらいでスピーカーが1個完成。思った以上によく鳴るんで笑ってしまったのは前述の通り。さらにもう一個作ってステレオに。最初はニア・フィールドスピーカー(耳の近くで聞くタイプ)を目指していたんですが、ためしに2メートルちょっとほど離れて大きめの音をだしてみたところ、ソース次第ですがこれがまた意外に聴けたりします。
(小音量で聴く時も少し離れたほうがいい感じに聞こえたりします)

 離れて聴くと音に広がりを感じる音場型スピーカーになっているようです。広がりは多分コンドームの薄いゴム膜独特の振動のせいでしょう。これはイコライザーの設定で変化します。
 このスピーカーに関してはそのままでは中音域が強すぎるので低音・高音を調整するWinampのイコライザー使用は必須です。低音を強調することで、コンドームの共鳴が大きくなり、効果が倍増する感じです。
目を瞑ると低音が出ているのでもっとでかいスピーカーの音に思えてきます。(当者比)

 薄いゴム膜の振動エネルギーは思ったとおり強い上、ホーンから出る音量のロスが少ないせいか、自作の1Wデジタルアンプでも割と元気に鳴ります。(本体のつくりとユニットが貧弱&アンプも限界なので時々割れたりビリつきますが・・・;)
で、出力の大きなアンプに繋いでみたら、ボリューム押さえ気味の時はわりといいんですが、しばらくすると音量的に1Wのアンプと同程度でもやはり100円スピーカーでは連続使用はできないようで突然バリバリいい出し、慌てて外しました。やはり無理はいけないようですw

 で、このスピーカーはかなり気に入ってしまったので、思わず名前まで考えてしまいました。(笑)
最初、外観からサウンドキャノンと呼ぼうかと思ったのですが、災害対策用スピーカーでそういうのがあるらしいので、サウンドカノン(うすしお味)に変更。うすしお味は好きなチップスターのうすしお味の筒を使っているのでw
 まあ、別に連邦軍ボールスピーカーでもコンドームスピーカーでもなんでもいいんですが・・・

 てなわけで、前置きが長くなりましたが、製作手順です。(材料さえ揃えば作るのは簡単なので、あっという間にできると思います。子供の工作レベルですね)

材料は、
・小口径のフルレンジスピーカーユニット2個(ステレオの場合)と配線ケーブル
・ユニットの口径に見合った適当な筒(秋月の100円ユニットの場合、チップスターの筒が丁度いい)
・低音取り出しホーンに使う細めの筒(明治のマーブルチョコの筒がお勧め!)2,3本
・ビニールテープ
・コンドーム2個(当然薄くて破れにくいものがいいです)
・薄手のアルミ板など(ユニットを本体の筒に固定するためのもの。アルミに限らず使えそうなものならなんでもいいです)
・小ネジ適当な本数(ユニットを筒に固定するため。ネジでなくても固定できればなんでもいいです)


では製作に入ります。

L_horn

↑まずホーン用のマーブルチョコレートの筒を左のようにカット(短いほうは蓋の筒のほうを使ってます)
L字に繋げて(写真中央)、接合部を音が漏れないようにビニールテープでぐるぐる巻きます。(右)

Chipstar1

↑次に本体のチップスターの筒を5cmほどの長さにカットし、側面にホーンを取り付けるダクト(穴)を横にあけて(左)、L字型のホーンを差込み(中央)、接合部を音が漏れないようにビニールテープで塞ぎます。(右)

P3


チップスターの筒にユニットをとめる薄手のアルミ板とネジ。金切鋏で適当な形に切り、ネジが入る太さの穴をドリルで開けてます。(左) アルミ板を折り曲げてユニットにネジ止め(中央)し、チップスターに被せてビニールテープで巻いて固定。ユニットと筒の間は音が漏れないように厳重に巻きます。(右)
ユニットを取り付ける際はホーンの向きに注意

Condom

↑コンドームを根元あたりまで出します。(左)
チップスターの裏側にコンドームを装着。この程度の筒の大きさならよほど破れやすいものでない限り大丈夫だと思います。手の爪は切っておいたほうがいいですね(中央) コンドームの先を引っ張ってテンション(張り具合)を調整します。スピーカーから音を出してホーンの出口に耳を付け調整。低音が共鳴して量感を感じる程度にボンボンなるくらいならOK。あまり強く張る必要は無い(破れやすくなりますし)ですが、ある程度の張りは必要です。
テンションが決まったらその位置で親指などで押さえつつ、輪ゴムで仮止め。(右)

Finish

コンドーム側も側面をビニールテープでぐるぐる巻きにして固定。あまったコンドームの先の部分はカット。(左)
あとは、ホーンをある程度の長さに継ぎ足します。(右)
ちなみに継ぎ足す側の筒もマーブルチョコでいいんですが、音を出した時に共鳴して音がビリつきやすいようなので、ダイソーで買ってきた巻いたラッピング用紙の芯のボール紙の筒を使っています。マーブルチョコよりわずかに口径が小さいので長めに切って前後にずらすことにより低音の量を調整することが可能です。
ホーンは前後の長さを14~15cm程度にしています。(ホーンの先に耳を当てて音を出すと低音の具合がわかります)

 以上で完成。廃物利用がうまくいけば本体の材料費は数百円でできるでしょう。うーん、プア・オーディオな出来栄え。

 とりあえず色々な曲をかけて聴いているんですが、このサイズ、この乱暴な作りのお手軽スピーカーですから、PCのMP3プレイヤー(私はWINAMP使ってます)でイコライザーで中高音を抑えないと使い物にはなりません。最初、WINAMPで標準で付いてくるイコライザーのプリセットのFullBassとDanceを主に使っていましたが、現在は下のほうにあるオリジナル設定を使っています。

Eq
<FUll Bass>

Dance
<Dance>

 かなり古いですが杏里や渡辺宙明サウンドの傑作イクサー1(OVA)のサントラのようなベースやシンセドラムが心地よい楽曲やハードロック、エイベックス、ダンス・パラパラ系などで、リズム担当の低音が歯切れよく強調されている曲に楽しめるものが多いようです。
 
 意外だったのが、久石譲の澄んだ音楽なども結構綺麗に再生してくれることで、こちらのほうがこのスピーカーの持ち味と言えるかもしれません。風の谷のナウシカやラピュタなどのストリングスが綺麗に伸びてぐっと盛り上がるような場面もなかなか高揚感があります。高域に限らず全体に軽くエコーというか、リバーブがかかった感じでソースによっては伸びやかさが増します。

 もちろんこのサイズの安物スピーカーユニットを使ってますし、BOSEのような技術を使っているわけでも無いですから、重低音~腰の入った低い低音あたりが出るはずもなく、ドラム、ティンパニ、オケヒ、シンセベースなどで低音の雰囲気が出ているといった程度のはずなのですが、ソースによっては音量を多目で聴くとかなり低音に量感があったりします。このスピーカー向きの曲ならツボにはまるといった感じでしょうか。

 ただ、問題点も少なくは無いです。基本的にジャンルではなく、曲単位でソースを選ぶスピーカーだと思われ、合わない曲はとことん合わないようです。以下、そうした問題点をいくつか。

1.アコースティックギターなどで特定の音階(やその前後)で共振がおこり、音量に関わらず音がビリつくことがある。共鳴して音が揺れたり、うねることもありがち。
2.楽器の音色、音階によっては薄いゴムの振動っぽく聞こえたり、低域で紙筒がぽんぽん鳴っているように感じることがある。楽器によっては音色が変。
3.ソースによってはバックで終始共振で音が濁っているように感じることがある
4.高域が耳に痛い
5.ホーンが自分を向いていると気になる(特に尖端恐怖症とかだと辛い)
6.コンドームが破れやすい。使っているうちにだんだん緩くなることも懸念される。経年変化にも弱そう
7.多分薄いゴムは温度変化に弱い
8.作りたての時はゴム(またはゼリー)くさい

上記の対策としては
1.は音量やイコライザーでの調整に腐心する。またはあきらめて聞き流す
2.このスピーカー独特の味わいということで納得する
3.1の対策に同じ
4.1に同じ。(下のノーマル設定を使うとかなり聴きやすくなると思います)
5.横向きに置いてユニットを自分に向けると、ホーンはやや逸れる。(下の写真)
6.いつでも張り替えられるようにコンドームを常備しておく
7.温度ごとの音色を楽しむくらいの生温かい余裕を持つ
8.慣れる

などが考えられます。ヽ(^.^;)ノ

Yoko
横置き

 てなわけで、Winamp用の多くの楽曲をできるだけ無難に鳴らせるノーマル設定と深夜に小音量で聴く時のラウドネス設定を作りました。(ラウドネス本来の意味は違いますが、目的がということで・・・)
 前者は目的上、おとなしめの音です(が、曲次第では暴れます)。バックに小さく流れるストリングスパートが一定の音域でほとんど聞こえなかったりする欠点もあります。
 後者は小さい音量前提なので大きくすると結構破綻する曲があるかもしれません。
eqfファイルもアップしておきました。
eqfファイルはWinampでグラフィックイコライザのPRESETSボタンからインポート(Load)できます。

<ノーマル設定>

Normal

左クリックで保存を選ぶか、ファイル名を右クリックし、対象を保存でダウンロードできます-> normal01.eqf

<ラウドネス設定>

Loudness

左クリックで保存を選ぶか、ファイル名を右クリックし、対象を保存でダウンロードできます-> Loudness01.eqf

Winampについては検索するといっぱいありますので、ご参考までに-> グーグル検索(Winampの使い方)

 以上、制作自体は簡単にできますので、スピーカー自作派の方には騙されたと思って作ってみていただいて、感想など聞かせていただければ嬉しいですね。いや、本当に騙されたと言われても責任とれませんが・・・こういうのは私本人の感性・気のせい・自己満足のバイアス過多&スキルの不足が大きいので・・・(と逃げをうっておく)

それでは(^_^)/

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Comments

とても画期的なアイデアで、驚きました、当方自身小型スピーカーには色々工夫してきたつもりだったのですが

成るほど○○ドームですか・・・

とてもヨイ振動材の情報を頂きました、これからも是非頑張ってくださいっ 

Posted by: HAWAI | June 10, 2009 at 07:51 PM

>HAWAIさん

コメント、ありがとうございます。(^^)
コンドー○はソースによって変な音になるのと、耐久性が無い(すぐ破れてしまう)、経時変化にも弱いなど(伸びたり自然に破れる)弱点が多いので、実用性の点ではかなり無理がありそうです(笑)
これぐらい薄くて耐久性のある膜があると、小型で面白いスピーカーができそうな気がするのですが・・・(^_^;

Posted by: いしだ | June 10, 2009 at 08:58 PM

 初めまして。大変に面白い記事を読ませて頂きました。直径3,5cmほどの極小スピーカーを、2個使ってスピーカーを造りたいと考えています。一つのボックスに、同じスピーカー(4W、8Ω)を2個使うと云う事です。
 並列と直列の繋ぎ方がありますが、それぞれのメリット、デメリットを教えて頂けますか。小生、素人ですので、簡単に説明を頂けると有り難いと思っています。図々しい御願いですが、何とぞ宜しく御願いします。

Posted by: DANSK | July 04, 2009 at 12:50 PM

>DANSKさん

はじめまして、コメント、ありがとうございます。
自分もそれほど詳しくはないのですが、ユニットの直列つなぎは2個つなげると、一個あたりの音圧が半分になり、音質が劣化する場合がありますが、アンプには悪影響は無い。

並列は2個つなぐとトータルで音圧が倍になる分、アンプに負担がかかり、下手をするとアンプが故障する可能性があるという感じだったと思います。
(8Ωのユニットだと並列つなぎでは4Ωになるので、4Ωのスピーカーが余裕でドライブできるアンプならあまり問題なさそうですが。)

複数ユニットを直列や並列で一本にして使う場合は以下のページあたりが参考になりそうですね^^

http://www.kandashokai.co.jp/tips/impedance/impedance.htm
http://mitsunoken.hp.infoseek.co.jp/fullreng.html

Posted by: いしだ | July 04, 2009 at 10:42 PM

 早速の御連絡を有難う御座います。今、小型のスピーカーを作ろうとしております。この記事の、スピーカーの後ろに振動版を付けたアイデアは素晴らしいと思います。私も、試してみようと思います。試作してみても宜しいでしょうか。

Posted by: DANSK | July 05, 2009 at 07:47 PM

>DANSKさん

どうぞ、こんなアイディアでよければご自由にご利用ください^^
ここで作ったスピーカーは良い音というより、ちょっと変わった音(^^;という感じですが、自作スピーカーってあれこれ工夫して作ること自体が楽しいんですよね(^^)


Posted by: いしだ | July 06, 2009 at 02:56 AM

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