« XPHomeEditionサポート期限延長 | Main | 穴埋め »

January 26, 2007

スピルバーグ版宇宙戦争

 先日、仕事をしながら久々にSF映画でも観ようかと、DVDでスピルバーグの宇宙戦争を観ました。いやぁ、何度観てもつまらない映画です。よく出来たCG、VFXだけ再度観てみようかと思ったので別にいいんですが、それでも少し時間を損した気も(笑

 SF映画の醍醐味であるところの迫力、スペクタクルといったものが、一応は高度なVFX技術で表現されているんですが、主役の自己中親子のせいで全て台無しになっています。映画でも小説でも漫画でもそうですが、とにかく主人公に共感を覚えなければどんなに凄い技術を使っていようがお金をかけていようが、有名な俳優を使っていようが、白けてしまい、もとが作り物ですからその作りのわざとらしい部分しか見えてこなくて物語りにのめりこめません。

 この映画は驚異のVFXの部分以外は取ってつけたような親子の対立を延々見せられます。途中で出てくるキャラも皆共感とはほど遠い人物ばかりです。物語に緊張感を出そうとしたのでしょうが、ただただ鬱陶しいだけの脳内レジスタンス親父とか、善意の人攫いおばさんとか。肝心の親子に共感を覚えられれば良いスパイスにもなったでしょうが、口先でお前たちを愛していると連発するトム・クルーズ、ひたすら宇宙人のウォーマシンと戦って死にたがる息子、きいきい泣き喚くだけの娘。特に息子なんか、そんなに死にたきゃ殺人光線で塵になってしまえばいいのにとこちらが願ってしまうほどあまりに現実感の無い稚拙で迷惑な奴です。

 スピルバーグ映画の主役って結構こういう嫌なキャラが多いんですよね。ジュラシックパーク2の女学者とか。もう早く光線にあたるなり、恐竜に食われるなりして死ねばいいのにと思うくらい我侭で嫌な連中です。一応まともな神経をしていると思っていたトム・クルーズも地下でレジスタンス親父を殺しておきながら、最後では元妻や家族と再会、にっこりするという体たらく。途中で別れた自己中息子もなぜか生きていて唐突にでてくるわで滅茶苦茶。この宇宙戦争は、もうどうしようもない駄作です。

 こうした被災者視点のシチュエーションでも、ミステリーゾーン(トワイライト・ゾーン)の脚本などでも有名なリチャード・マシスンあたりが書くと、人物にも魅力がある、程よくサスペンスの効いた面白い話になったのでしょうけど。

 スピルバーグはこういうある種病んでいる現代人に思いいれがあるようですね。この種の家族で成功した例は未知との遭遇でしょうか。あれはやはり精神的に疲弊したリチャード・ドレイファス演じる父親とその家族が結局友好的な宇宙人によって救われるといった話なのでまあ、ハッピーエンドでよかったねというカタルシスがあり、映画全体として共感を覚えられる作りになっています。今度の宇宙戦争はそういった救いなど一切無く、主人公たちだけがなぜか勝手にハッピーエンドという、観客を置き去りにしたような話です。

 それと、プライベート・ライアンでやった、コントラストを上げて色を抜いたような画面も嫌ですね。Pライアン同様ドキュメンタリータッチにしたかったようですが、第二次世界大戦という設定ならそれらしくて良い面もありますが、今回のは普通の綺麗な映像でいいんじゃないかと。まあ、面白い映画だったらそんな事も気にならないんでしょうが。

 もっとも、方向性としては主役が宇宙人の脅威からひたすら逃げつつ、悲惨な現実を目撃するH・Gウエルズの原作に近いと言えば近いんですが、それでも小説の主人公は共感がもてます。スピルバーグのこの映画での試みは多分、原作に近い視点でやろうとしたんだろうと思うのですが、延々続く下らない親子の葛藤劇で完全に失敗に終わった感じ。

 やはりSF映画はわくわくするようなセンス・オブ・ワンダーがまず一番先にあって欲しいものです。ジョージ・パルの名作「宇宙戦争」は今見てもよく出来ています。アカデミー賞特殊効果賞を獲得したVFXも素晴らしいですが、何よりストーリーがスペクタクルSFの王道を行くしっかりとしたもので、思わず物語に引き込まれます。日系人がデザインしたというエイのような形をしたUFO型のウォーマシンと、ちらっと出てくる宇宙人の造形も秀逸です。

Sshot2
↑メタセコのブール演算を使ってみたくてつい手が滑ってモデリングしてしまったパル版ウォーマシンヽ(^.^;)ノ
多分尻尾が本物よりでかいです

 もうひとつ、宇宙戦争のリメイクでは「インディペンデンス・ディ(ID4)」がありましたね。あれも現代の迫力あるVFXと話のバランスが取れた、良い作品でした。他の宇宙戦争の宇宙人が本物のウイルスでやられるのに対し、ID4ではコンピューターのウイルスで人間が倒すというアイディアが面白かったですね。SFというようりはファンタジー系活劇で話に深みは無いですが、肩の凝らない娯楽作品として楽しめました。

|

« XPHomeEditionサポート期限延長 | Main | 穴埋め »

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)




TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/84881/13671159

Listed below are links to weblogs that reference スピルバーグ版宇宙戦争:

« XPHomeEditionサポート期限延長 | Main | 穴埋め »