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January 03, 2006

ゴジラ ファイナルウォーズ

えー、久々に猛烈に欲しいと思ったDVDを近所のショップに探しに行き、新品で買いました。

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タイトルはゴジラ ファイナルウォーズ(GFW)。
2004年公開の映画で、なぜいまさらという感じですが、昨年12月30日に夕方からテレビ東京でやっていたのを途中からたまたま見て、ちょっと変わったゴジラ映画だなと思いつつ、わりと冒頭の新轟天号VSマンダ戦から録画しはじめたのですが、これ以上無いくらいに面白かったです。ちなみに地上波では初オンエアとの事でした。

とにかく恐ろしくスピーディな展開でクライマックスの連続というジェットコースタームービーってやつですか。監督がその筋では有名な北村龍平監督で、ゴジラシリーズをはじめとする一連の東宝特撮映画とマトリックスをベースに、ふしぎの海のナディアとスターウォーズと宇宙からのメッセージと宇宙戦艦ヤマトとエヴァンゲリオンと少林サッカー、機動武闘伝Gガンダムをごちゃ混ぜにしたような、ある意味トンデモ映画ですが、私は滅茶苦茶楽しめましたね。

ツッコミ所満載で、随所で笑える映画ですが、実は演出も細かく計算され、特撮部分もドラマパートもこだわりまくりで決して手を抜いて作られておらず、監督・キャスト・制作スタッフのゴジラ映画のファイナルという事で少しでも楽しい作品を作り上げようという熱意が痛いほど伝わってきました。

この映画に対する評価は賛否両論というか、受け入れられる人は大絶賛、受け入れられない人は大酷評と極端に評価が分かれる作品で、受け入れられない人の気持ちも一方では良くわかります。

ゴジラや怪獣の出ている部分以外はほとんどがX星人と人間、ミュータント部隊VS怪獣のマトリックス風アクションの連続で、これらがまたやたらと力が入っているもんだから、ゴジラや怪獣の活躍が相対的に希薄になっているのかもしれません。よくゴジラが活躍していないとか、出ている時間が少ないとかいう意見もあるのですが、これについては、特に本多監督時代のゴジラ映画ってゴジラ自体が出ている時間はそれほど多くなく、人間側のストーリーがアクティブでもせいぜい軽いスパイアクション程度と、あくまでも怪獣の引き立て役に徹しているので怪獣の出ている時間が長い印象があったような気がします。初代ゴジラなんて、出てくるまでかなり待たされますが、逆にそのせいでゴジラの存在感がものすごく強いものになっています。さらに言えばゴジラじゃないけどドゴラやマタンゴだって本体が出てくるのはほんのちょっとだけですよ(笑

この映画では南極でゴジラが復活してから東京に着くまでの間、ジラ(ハリウッド版ゴジラ。もちろんCG。良くできてますし笑えます)、クモンガ、カマキラス、キングシーサー、アンギラス、ラドン、ヘドラ、エビラ等と戦うのですが、ほとんど瞬殺で、このあたりが物足りない人も多いようです。私は逆にあっという間に倒すことでゴジラの圧倒的な強さがより際立ち、とてもよい時間配分だと思いました。まあ、距離的には南極から日本に着くまでが早すぎですが・・・(笑
キース・エマーソンのオリジナルBGMに乗せ、ゴジラが快進撃を続けて行く様はとても燃えるものがあります。久々にゴジラ映画で興奮してしまいました(笑

まあ、とにかくミュータント部隊とは言え生身の人間が肉弾戦(光線兵器とか持ってますけど)でエビラを倒してしまったりするので、例えて言えば同じ初代ガンダムに熱狂した人が、その後の機動武闘伝Gガンダムを面白く見られた人と、あんなのガンダムじゃないやいと拒絶反応を示した人に2分された感じに似ていますね。
なんせ、Gガンダムではマスターアジアなる老人がザク似のモビルスーツを生身で布一丁で倒してしまうのですから(笑)

私はGガンダムも楽しめたほうですが、初代ガンダムが好きでGガンダムを素直に受け入れられるタイプの人でゴジラも好きな人にはGFWは絶対お勧めです。(お勧め対象の範囲が異様に狭い気もする(笑))

おそらく、ミュータント部隊を東宝自衛隊とメーザー戦車等のスーパーウエポンに置き換え、人間パートを無難に作っただけで拒否派は相当数減るものと思いますが、やはり私は北村監督の個性・力強さが全開のこの作品の作りを全面的に支持したいと思います。ちょっとだけ不満があるとすれば、あまりにクライマックスが多すぎるので、途中でお腹いっぱいになり、見た後ちょっと疲れてしまうことでしょうか。(笑 まあ、2回目の鑑賞からは先が見えるのでそんなに疲れはなくなりますが。

自分も平成ゴジラの後期の作品を除き、ほとんどのゴジラ映画を観ましたが、自分の中でこのGFWは初代ゴジラ、昭和時代のモスラ対ゴジラ、キングコング対ゴジラ、三大怪獣 地球最大の決戦、怪獣大戦争並に面白いと思います。この頃の大ヒットしたゴジラをベースに新境地を開拓しようという、製作者の熱意をGFWにも感じました。

東宝チャンピオン祭りのお子様映画になってしまった頃のゴジラ映画以降、平成ゴジラ誕生以前はとにかく会社の命令で作らなければならないといった感じの(ヘドラなど多少別の意味で見るべきところはあるものの)へなちょこなストーリーとチープな予算の作品が多く、平成ゴジラ以降はそれなりにお金もかけ、大人向きの作品作りを目指したものの、どうも昔の全盛期の劣化コピー的なものが多くて、ゴジラ対スペースゴジラあたりで愛想がつきて見る気もせず(その後もキングギドラが出てくるのとか観ているはずなんですが、ほとんど記憶に残っていません)、最近テレビでGFWの前作の金子監督の作品を一部観たものの、これも平成ガメラの焼き直しという状況で少々残念だったのですが、最後(?)にこんな楽しいゴジラ映画に出会えてとてもよかったと思います。テレビ東京さん、ありがとう。

DVDはもう何度も吹き替え版と字幕版を交互に見ていますが、何度見ても面白いです。
もし興味がある方は是非レンタルビデオでGFWを借りて見てみてください。(DVDを買うと、肌に合わない場合、かなり痛手になりますので(笑))

そして、もし気に入ったらDVDを買ってあげてください。興行的には芳しくなかったようなので・・・私はほとんどを録画し、普通ならそれをDVD-Rに焼いて済ませるところなのですが、こんなに楽しい映画を作ってくれた監督・スタッフに感謝をこめてDVDを買わせていただきました。ただ、貧乏なのでスタンダードエディションのほうですが・・・(^^;

なお、テレビ東京オン・エア版とDVD版ではオープニングとエンディングが違っていました。オン・エア版のほうはオープニングタイトルがまるまるカットされており、エンディングも黒バックのテロップロールでした。
これがDVD版ではオープニングが知る人ぞ知る人気タイトル制作者のカイル・クーパー氏によるもので、良い意味でB級映画っぽい、かなり凝った作りになっておりました。頻繁に文字や画像、光がフラッシュバックするので、例のポケモンで小学生が倒れた事件を配慮してカットされたのかもしれません。エンディングはDVD版は尺あわせのためにやむなく落とした未使用カットなどがふんだんに挿入され、このカットは本編の補足説明的なものもあり、楽しいものになっています。テレビ東京で見て面白いと思った人は是非DVDも買いましょう(笑

また、スタンダードエディションといえども、監督・特撮監督によるコメンタリーも入っていますので、裏話なんかも聞けます。人によっては自画自賛大会に映るかもしれませんが・・・(^^;

これが(一応)最後のゴジラ映画ということで、幕の内的な作りにした事を私は全面的に支持しますが、そのためにこれが最後とは納得いかんと、より拒否を受ける面もあったように思います。
私としてはこうしたミュータント等近未来人間アクションものを絡めるなら、北村監督には新たなるゴジラ対メカゴジラを撮って欲しいような気がします。ついでにメカニコングなんかも一緒に出していただいてアクション満載の映画を作っていただけるとうれしいかなぁ・・・。敵がドクター・フーならミュータントだろうが、ロボットだろうが、アンドロイドだろうが出し放題でしょうし(笑

ちなみにテレビ東京でオンエア中に2ちゃんねるの実況も時々眺めていたのですが、放送中、恐ろしい勢いでスレッドが消費され、結局23スレッド+αほど立ったようです。いかに突っ込み所満載の楽しい(あるいは非難しやすい)映画であるかがわかる人にはお分かりでしょう(^▽^;) 概ね好意的なコメントが多かったですが。

最後に、この映画、個性派キャストもすばらしい演技をしていました。北村一輝氏のX星人統制官はもの凄く邪悪かつユーモラスな存在感があり、名バイプレイヤー、國村 隼さんの渋い演技はこの映画をぐっと引き締めてくれてました。やはりプロの役者さんです。「痛い」は笑いましたが。(笑

P.S.嗚呼、またヲタクと言われそうだ(笑

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Comments

ヲタク

Posted by: じぇーん | January 05, 2006 03:04 PM


Posted by: いしだ | January 05, 2006 04:16 PM

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Tracked on January 20, 2006 10:35 AM

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